最後に登山鉄道をご紹介しましょう。始点のCapolagoへはLuganoから鉄道または船で行けます。湖を南下してMelideとBissoneを結ぶ橋をくぐった湖の南端。ここはLuganoではなく次のMendrioso圏内です。
列車ならCapolago-Riva S. Vitale駅。Capolagoの隣のRiva San Vitaleにはローマ人より前のEtruscan人の時代から町がありました。ここにある洗礼場はスイスにある最古のキリスト教建物で5世紀に建てられモザイクの床などが残っているそうです。
登山列車Ferrovia Monte Generoso。Capolago(標高274m)からSan Nicolas (707m)、Bellavista (1222m)、終点のGeneroso Vetta(1601m)と4駅で全長9km、40分の乗車です。私は2011年にLuganoから船でCapolagoに行きました。
船が着く岸壁の真ん前に列車が待っています。
列車の足回り。
1867年に途中駅のBellavista近くにホテルを建てたのが始まりでした。1886年に登山鉄道の建設が始まって開通したのが1890年。当時は蒸気機関車でした。
1841年よりスイスの巨大資本のMIGROS(スーパーでおなじみ)傘下になり、2013~2017年の間は運休して大改修。頂上に建築家Mario Botta氏デザインの展望レストランFiore di pietra(石の花)を新築(私が行ったのは2011年なので未見)。
終点駅の標高は1601m。ここから10分・350m歩いて1704mの頂上へ。上の写真は駅から頂上への道。オープンテラスになってる?登山鉄道の運行は3月中旬から11月初めまでで一時間に一本。(現在はCOVID-19のせいで運休中)
この日は曇りの天気ですが(下界が晴れでも1700mの標高だと雲も出ますね)、晴れるとLugano、Como, Varese, Maggioreの4つの湖、Gottardo山塊、マッターホルン、ユングフラウ、ベルニナ山系、ロンバルディアとポーの平野、ミラノ、アペニン山脈と地理の時間に習った地名の数々が見えるそうです。ちなみにこの頂上の先はイタリア領。
またピークが最後の氷河期時代にも海の上にあったので希少な植物種も多く見られるそうです。
もちろん付近のハイキングコースも整備されています。
この時は私はスイスのハイキング道の何たるかを知らなかったのですが、山頂駅でボーっとしていたら下から人々が楽しそうに登ってきて、あぁあの先を歩けるのか、と新鮮に思いました。
そう、スイスのロープウェー、ケーブルカー、登山列車って乗って着いて眺めるーーーそれだけでも物凄い眺めですが、歩くともっと楽しいです。駅からどこかへ、駅と駅の間、必ずと言っていいほど長短さまざまなハイキング道がありますのでちょっとだけでも歩くことをお勧めします。
ルガーノというとそれなりに名が知られている観光地で街もそれなりにおしゃれな建物がありますが、ちょっと先のミラノなどに行けば、もっともっと桁違いに大きい重厚な街があります。スイスの町は、それに比べるとショボいです(しかも高い)。しかしスイスにあってイタリアにないものといったら(ほぼ)完璧に整備されて誰でも利用できる散歩道です。ルガーノ近郊のピークからの眺めをいくつか紹介しましたが、同じ湖を違う角度から見ているわけなので、ケーブルカーなどで労なくして上る、を繰り返しすぎると、どれも同じ気がして飽きる恐れもあります。これがちょっとでも自分の足で歩く部分があると変わります。
訪問・写真は2011年6月
Mendrisio観光局からMonte Genereso:
https://www.mendrisiottoturismo.ch/en/scopri/highlights/monte-generoso.html
Monte Generosoの登山鉄道公式サイト
https://www.montegeneroso.ch/en