前回書いたように、FlüelenとWassenの間は南から北へ歩いてます。AmstegからErstfeldの間は10月上旬、WassenからAmstegの間はそれより前の6月中旬に歩いています。
まずはAmstegからErstfeldまで。その前半。
Amstegの標高は519m。標高458mの湖畔の地Flüelenから、ここまではほぼ平坦です。AmstegはGottardo峠に向けて始まる急な上りに備えて一息つく場所として、ロバに荷を載せて歩く人や、荷馬車や郵便馬車の中継基地として栄えました。ずーっと昔から、南北交通路の通り道の集落でした。
AmstegはReuss川沿いの街道沿いに細長く伸びる町です。街並みの両端に南から”Amsteg, Post”と”Amsteg, Schulhaus”の二つのバス停があります。Schulhausのバス停からはバス道の横から山側、右に入って家の途切れたところから登っていきます。上の写真では道の左側の街灯の柱に黄色のハイキング表示板がありますね。道の先には牛の列が横切ってるのを車の列が待っています・・・
Amstegの町は1882年に鉄道が開通すると一時衰退の憂き目を見ますが、その後水力発電所ができたり、観光に力を入れたりしています。集落の川を挟んであるKWとある大きな建物は水力発電関係です。線路のすぐ横を歩き、線路をくぐったり見下ろしたりしながら、時折現れる集落を通りながら進みます。まず左手の丘に現れるのがZwing-UriのBurgruine(城跡)。
左手に緑の芝生が広がっています。ハイキング道から離れてもうちょっと丘に入れば10m四方の大きさの城跡の石組みがあったのですが、天気が不安でさっさと先に進んでしまったので見られず・・・紀元前1500年、青銅器時代中期には既に人が住み始めましたが、1350年頃には放棄されたそうです。
一番目と二番目の広域地図で、Erstfeld駅の北から地図画面の右側に破線が南に真っすぐに引かれています。これがGotthard-Basistunnel、57㎞の世界最長の鉄道トンネルです。Amstegからは随分と東に離れているように思えますが、トンネル途中のAmsteg、Faido、Sedrunの3か所にはトンネルを掘って出た土を排出して運び出す場が造られました。トンネルが完成して列車が運行し始めたのは2016年6月、私が歩いた2013年にはトンネル工事に伴う作業場が沿線のあちこちに見られました。上の写真は地図上のGrundとある、Reuss川の三角州のあたりです。車道に出ました。Dörfliとあるところです。ここはSilenenという町なのですが、Amstegと近くのBristenは市町村合併でSilenenの一部となっています。道の向こうに塔が見えますね。この塔がMeierturm、別名Turm der Edlen von Silenen、Silenenの貴族の館です。1240年建立、チューリッヒのFraumunster(大聖堂、司教区)に属していたSilenenの貴族が所有していました。2002年より中に入れます。反対側から見るとこんな感じ。Meierturmの隣には14 Nothelfer Kapelle。1081年には記録に残っている教会です。今ある建物は町を襲った火災の後、1660年に改築されたもので当時のフレスコ画があります。鉄道から離れたり近づいたり、Erstfeldまでの道のりを続けます。
歩行、写真は2013年10月上旬。
AmstegについてはWassenから到着したときに、もう一回語ります。
Amsteg, Silenenは観光面ではAmstegから東に入ったMaderanertalと合わせて紹介されてます。Maderanertalの観光サイト:
こちらからこの一帯のパノラマ地図が見られます
http://www.maderanertal.ch/downloads/infos_auf_einen_blick.pdf
ロングトレイル Via Gottardo公式サイト Altdorf-Wassen
冒頭の高低図もここからのを引用してます。