軍隊というのは一昔前までは絶対安定な職場でした。また職業軍人にならなくても、兵役は全男子の義務で、本職と平行して兵役をしっかり勤め上げ、実績を上げたり階級を上げることは、軍隊以外の仕事の出世にもつながっていたそうです。
しかーし、冷戦も終わって久しい今、やはり無駄な部分が多くないか?軍と男子皆兵の必要性は相当左寄りの人も含め、ほとんどのスイス男が認めているとしても、削減というか効率化というか、軍の近代化への圧力は急速に進んでいるようです。昔のままでいるわけにはいかないし、必要とされる人材もどんどん変わっています。一般の人に軍隊を知ってもらって、なるべく優秀な若人に軍で働いてほしい(義務兵役とは別に)。と前回でも取り上げたComptoir Suisseでは例年、軍が展示広報活動を大々的に行っていました。
スイスでは独特の見習い研修・資格制度を経て職業に就くのですが(近いうちに書きます)、軍には多彩な職種があってコンピューター関連から皆の料理をする部門まで、興味のある分野で実践が積めて資格が取れてエキスパートになれますよ~その後に民間に転身するにも役立ちますよ、と誘っていました。なるほど。
Comptoir Suisseに最初に行ったときは会場でいきなり戦車のお出迎えに度肝を抜かれましたが、戦車(動かない状態、念のため)にも乗せてもらいましたわ。
外ではコーヒーなどに加えてCroûte au fromage(いわゆるパンにチーズがかかってるの)などの販売もありました。厳密な「ミリ飯(ミリタリー飯)」ではないのでしょうが軍の調理用の車両から出てきてました。
スイスでは子供に職場体験をさせます。上の写真は鉄道のトンネル建設現場での一般公開日。これもお子様の職場体験になるのか?砂場遊びの別版か?作業用のベストとヘルメットをかぶったお子様が大喜びで一輪車で砂運んでます・・・
2015年のComptoir Suisseの軍のコーナーでは、お子様に迷彩服を着せて、顔に迷彩ペイントを施して、障害物をくぐって「ほふく前進」させていて、さすがのスイス人も若干ひいてましたが・・・
ここに参加しているのは初年度の兵役中の若者で、彼らにとっても普段の演習から離れ、外で人と触れ合うのはいい息抜きになって楽しいらしいです。なお、大部分のスイス人男は戦車にもヘリコプターにも乗ることはなく、荷物を担いでひたすら歩く訓練が大半なのだそうです。射撃訓練は兵役が解かれる年齢まで毎年続きますけどね。
このComptoir Suisseは2018年を最後に終了しました。次回は思い出を少し。
スイス連邦公式HP スイス軍について(英語版)
https://www.vtg.admin.ch/en/armed-forces.html
上記の英語版は他の言語(独仏伊)版に比べると全部は網羅していないんですよね。独仏伊語ができる方は原文版をお勧めします。ページ右上の言語を切り替えてください。
https://www.vtg.admin.ch/fr/armee.html
こちらも連邦公式 軍隊について知りたいこと全て
https://www.ch.ch/en/the-military-information-for-members-of-the-armed-forces/