スイスで文句を言う、頼みごとをする

  • 旅行にトラブルはつきもの。天気が思わしくないのは仕方が無いとして、レストラン、ホテル、商店での人為的ミスによる不都合にどう対処したらいいのか?

「日本人ははっきりNo!と言わない」のが問題だ、とも言われますが、問題に際して「ガツンと文句を言う」のがスイスで有効かというと、そうでもないんじゃないかと私は思います。今日は私の個人的意見100%ですよ!

ヨーロッパとは一様ではなく、国それぞれの気質があります。相手に反撃の隙を与えずにシャベリ倒すのが是とされてる国もあるようです。互いに感情をぶちまけたあとハグして和解(?)する人たちもいるでしょう?ヨーロッパでは発言しない人は居ないも同じだから会話の主導権をとれ、微笑んでいるだけではいけないという意見もあります。

さて文句を言う目的は何ですか?思い通りになっていない現実に対し捨て台詞を吐いて、こんな所一刻も早く立ち去ってやる!つもりでしたら何を言っても構いません。しかしクレームをつけて何かしら改善してほしいなら、スイスの日常で求められているのは相手を説得するための丁寧で論理的な説明です。怒鳴っても相手は私のために何かをしてくれません。私は一度、コールセンターに電話していて相手に逆ギレされました…その後お互いに何とか収めたけど。「とりあえず客には全面服従の態度を示す」習慣はありません。正式のお願いには未だに文書による申請が常です。文書の中身、自由作文の箇所は、相手の気分を害さないように気を付けながら説得させなければなりません。

そこまでのケースではなくても、強い口調で相手をののしることだけは避けなければなりません。相手の非を責める必要はないし、責めても無駄なことが多いです。ここで「申し訳ない」の一言が欲しいよね、とはスイス人でも思うようですが、謝罪の言葉を期待してはいけません。ミスをしたのが今対応してくれてる人と別の時はよほどのことでない限り、謝りません。ところが謝らずとも、意外にあっさり対処はしてくれることが多いのです。スイスの場合、不利益にならない場合には、驚くほど簡単に要求が通ることがあります。

例えば食事の味付けが意に沿わない場合など、食べかけであっても頼むと取り替えてくれます…レストランでは料理が運ばれてきてからしばらくして、「いかがですか?」と聞きに来ることが多いです。私はこれって社交辞令かと思っていて「大変結構」としか答えてなかったのですが、味付けが気に入らないからと取り換えてもらっているのに遭遇しました。何処をどうしたらいいのか明確に伝える必要はあるかとは思いますが、静かに頼んだら何事もなかったかのように代わりの皿が来ました。

また購入した商品はレシートがあれば実に簡単に返品に応じてくれます。

一方ホテルでのトラブルはどうなのか?予約ミスで満室の場合、あっさり解決策が出てくるとは限らないし、知り合いはピーク時の冬のホテルで部屋が異常に寒くて困ったそうですが、暖房能力が追い付いてない時は、文句言っても無理な時は無理なんですよね。それでも係の人の頑張りに期待したい場合は、罵り言葉ではなくやる気にさせるお願いの言葉と態度の方が有効だと思います。

スイスでは個人の裁量によるところがとても大きいです。抗議しても同じ人に改善をお願いすることになるんだし…ちなみに「お前じゃ話にならん、責任者を呼べ!」と叫ぶのはあまり有効じゃないです。「他の人呼べ」と言ってる時点で既にその人に頼んでるし。日本と違って他の人が出てくる保証は全くありません。

さて、相手を説得させるのに怒鳴ったり脅したりするのは有効ではありませんが、不都合があって改善を求めるならその旨言わなければなりません。不機嫌な顔をしていても相手はこちらの意をくみ取ってはくれません。ハッキリ言うべきか、諦めるのか。海外で暮らしているとそのようなことは多々あります。ひそかな抵抗と言ったらチップ無しで出てくるくらい・・・偉そうに書いてる私もそんなもんです(涙)

コメント

  1. 合言葉は同じ誕生日! より:

    欧州の国によりかなり温度差がありそうですね。とにかく主張しまくるお国柄のところよりはやりやすそうであります。

    • panorama-alpin より:

      イタリアなどはシャベリ倒す人も多いと聞きますが、私はまだお目にかかってないです。観光で訪れる分には普通かな。スイスについて、昔はともかく今は、違う言語の、違う国の人の集まりであることが多いので、互いに共通点を探そうとする部分があるかもしれません。表現するのが難しいですけど。

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