カントン(州)が違うと祝日が異なる

カントン(州・Canton(仏)、Kanton(独))が違うと

アメリカは「合衆」国で州ごとに法律から何から違う、といわれますが、スイスも「連邦制」で州の自治権が強いです。州の規模はさまざまで、一番小さい州は人口がたったの1万5千人程度です!

ひと昔前は、スイス内でも違うカントンに引っ越すのは違う国に行くくらいの大変さがあったそうです。税金も相当違うので、テニスのフェデラーは税金対策で州を選んで住んでます。まあ、彼の場合は通勤の便とか商店街が徒歩圏内にあるかどうかなどを気にしなくてもいいですからね。

税金と福利厚生以外にも、学校で教える教科が違います!スイスは大まかに言って、四つの言語が話されていますが、すべての言語が同等に使われているわけではありません。その地域によってのオフィシャル言語が(ほぼ)一つ決まっています。ドイツ語圏の学校の場合、まずはフランス語を外国語として習うのですが、このご時世には英語を先に学んだ方がいいのではないか、いやそもそもフランス語って教えなくてもいいんじゃん?と言い出す州も出てきている現在でして・・・(この辺りはものすごい反発も議論もあります)。と、まあ、生徒にどの言語を、何学年から教えるか、からして違っているくらいなので、他にも色々違うと思われますが、旅行者にも関わってくるのが、祝日が違う、学校が始まる週が異なることです。

北海道と沖縄で夏休みの期間が異なるのは納得ですが、それほど大きくないスイスで、しかも同じフランス語圏内の隣接した三つの州、Genève、Vaud、Neuchâtelでの2017年の秋の学校開始がそれぞれ見事に一週ずつずれているとは!始業式は九月一日、と疑いもなく育った日本人にはびっくりです。ちなみに始まりはどこも月曜日で、休みというのは週単位で取る物らしい。

バーゼル州とベルン州の境界。両州の紋章が描かれた岩

今でこそ学校は基本、秋始まりですが、スイスの一部の州では以前は日本と同じ春入学のところもあったそうです。大学は秋入学なので、半年間の待ち時間が生じるけど、ここでは履歴書に空白の時期があること自体は問題にならないのと、22歳の新卒のみ採用、のようなことはまずないので「だから?別に???」だそうです。スイス全土で秋入学に統一した時には、一部の州では半年余計に学校があったとか・・・

GlarusとUriの境界。光の加減で見にくいですが、Glarusの紋章はFridolinというアイルランドから布教にやってきた坊さんです。

休みは交通機関に影響します。祝休日や学校の休み時には特にバスの本数が減ったり無くなったり、反対に休日にしか運行しないバスがあるからです。また、祝日には店も多くが閉まります。宿を出発した時は平日だったが、州をまたいだ山の向こうは祝日で、来ないバスを永遠に待っていた、とか、あてにしていたスーパーが閉まっていた、食料が手に入らない、水が!ということが大いにあり得るのです!ええ本当に。

祝日の違いはその州がカトリックかプロテスタントかによるところが大きいです。概してカトリックの州の方が祝日数が多い傾向があります。この州ごとのオフィシャルな宗派の設定は大昔から変わっていないので、現在の住民との実情とはズレていることが多々あります。例えばジュネーブはプロテスタントの親玉、宗教改革のカルバンのおひざ元(Cité de Calvin) と現在でも称されていますが、イタリア・ポルトガル・スペインからの長年の移民流入により、現在はカトリック人口の方が多いです。

Uri州側は牛!

スイスの祝日(大抵はキリスト教関連)の数は日本に比べるとずっと少ないです。夏場はバカンスで何となく街中の交通量が少ない気配はありますが、日本のお盆のようにパタッと生産活動が止まってしまうようなことはありません。全ての州で祝日となるのは1月1日、12月25日、イースターから40日後のキリスト昇天祭(移動祝日)と8月1日。この8月1日の「建国記念日」が全ての州で祝日に制定されたのは実に最近の1994年のことでした。イースターは聖金曜日が祝日ではない州が一部ありますが、一般的には休みになります。年末年始から冬を乗り越え、この辺りから春が始まるぞ、との節目にもなる時節の連休です。キリスト教的には、お亡くなりになった(聖金曜日)ーと思ったらよみがえった、と連休初日の金曜日は悲しむ日ですけどね。

Klausenpass(クラウゼン峠)の手前でGlarus(グラールス)からUri(ウリ)州に変わりました。

Urnerboden(ウルナーボーデン)はUri州ですが、冬場は高所に位置するKlausenpassが閉鎖されるので州都Altdorfに行くには大回りをしなければなりません。よって夏はUri州だけど冬はGlarusに近くなる、と言われているそうです。学校や行政などの用事に関してGlarus州への協力要請が特別に認められているとか。

でも休みの日が違ったら、新聞の発行とか困るんじゃない?と疑問に思った貴方、スイスには全国紙に当たるものが無いんじゃよ!

スイス祝日一覧 カントン別

http://www.feiertagskalender.ch/index.php?geo=3056&hl=en

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