水分補給 (2)Rivella リベラ とスイスでカフェに入る話 

旅の途中での水分補給の話、続きです。

中央がオリジナル味の赤リベラ。右は紛らわしいけどルバーブ味です。

スイスの国民的飲料Rivella(リベラ)。主成分は乳清なんと35%!乳清とは、ホエイとも呼ばれ、生乳から脂肪分を取り除いた後のもので、ヨーグルトを放置すると上部に溜まる液体部分もそうです。低脂肪でミネラルやビタミンは豊富。チーズを作る際に副産物として大量に産出され、大半は廃棄されていたこの乳清にスイスの天然水を加え、天然ハーブで味付けして1952年から飲料として売り出しました。微炭酸でハーブの香りのオリジナル味「赤」ラベルは以来変わらない味!だそうです。現在は青ラベルのカロリーオフ、緑ラベルの緑茶味、それに桃・マンゴー・ルバーブといった果物の味も発売されています。最初に飲むならやはりオリジナルかなあ。外国人が飲んでるとスイス人は嬉しそうな顔をする、ような気がする。スーパーで買うと500mlのペットボトルで1.35フランから。

http://www.rivella.ch/fr/a_propos_de_Rivella (フランス語とドイツ語だけですが)

丘をてくてく歩いて上った先のてっぺん、眺めの良いところにはレストランがある(2016年9月 Appenzell州)

ペットボトルの話― <どこで買うのが一番安いか―自動販売機ではスーパーより倍以上の値段となるという衝撃的な事実―> を前回をしましたが、トイレ休憩も兼ねてハイキング途中でのカフェやレストランの有る無しも検討しておくと安心ですね。今後ご紹介する予定のロングトレイルでは集落と集落を結んで歩く行程のものが多くあります。その場合は集落にある(かもしれない)カフェ兼レストラン、山の中でもある程度人出が見込めるコース上に夏場や週末に開いている食事処が利用できます。レストランさえないような小さな集落でもホテルがあれば、ホテル併設のレストランを宿泊客以外でも利用できます。レストランとの表示があっても、大抵の場合飲み物だけでも大丈夫なはずです。

一つ前の写真のその先にあったレストランでは、オーナーがデッキブラシを楽器に仕立てて歌っていた。2016.09 Appenzell Sitz

スイスでは立ち飲みのスタイルはほぼなく、コーヒー等でも席についてからテーブルまで持ってきてもらう方式です。近年はコーヒー一杯でも3.6~3.8フランはするようになってしまいました。さらに都市部のカフェは個人経営の老舗店も次々とチェーン店に代わっています。カフェの経営は楽ではないようです。スターバックスはそれほど浸透していません。だってスターバックス高いもの。しかしチェーン経営になったからと言って値段が下がるわけではなく、つい先月にはローザンヌ駅の中に開店したチェーン店カフェがコーヒー一杯に4.4フランの値を付けスキャンダルになりました。新聞で高すぎると騒いでいるけれど、値下げはしないだろうなあ。今のところ、4フラン以下が普通です。

(追記:2017年7月20日)このコーヒーの値段はスイスのフランス語圏内の相場で、ドイツ語圏内に入るともっと高くなります。4~4.5フランが普通でした!

コーヒーは日本のフィルターコーヒーではなく、マシンで淹れる圧縮方式の濃い味のです。普通のコーヒーに加えてエスプレッソ(更に濃くて極小カップに入って出てくるの)やカプチーノなど、おなじみのイタリアンタイプも浸透してます。

バスの終点、ハイキング道の始まりにはカフェがあることが多い。ここで一息入れてからでないと歩き出さない、という人も。2013 Durrboden GR

さて食べ物でよくある、スイス特有の単語です。ワイン未満の液体の時と同様に、同じドイツ語やフランス語でも国によって独特の単語があります。スイスで使われているフランス語は話すスピードが遅い以外は単語の違いはそれほど無いとされていますが、数少ないスイスでしか使わない単語のうちの一つがミルクコーヒーに当たる、renverséです。定義によると、カフェオレがコーヒーにミルクを入れるのに対して、renverséは熱い牛乳の中にコーヒーを入れるのだそうです。(まあ、どっちでもいいですけどね)「renversé」とは「ひっくり返った」という意味なのでスイス以外のフランス語圏でcafé renverséを頼むとひっくり返ったコーヒーが出てきますよ(いや、出てこない)ちなみにミルクコーヒー、近隣の他の国々では

ドイツ語圏スイス: Schale (発音 シャーレ)
フランス: Café au lait 
イタリア: Caffè latte 
ドイツ: Milchkaffee
オーストリア: Kaffee Melange  となるそうです。

スイスのコーヒーがなかなか悪くないのに対して、カフェでの紅茶のレベルは低いです。カフェではその名の通り、コーヒーのほうが圧倒的によく飲まれていて、紅茶は家飲みなのでしょうか。スーパーでのティーパックの品揃えは豊富なんですが。紅茶を頼むとカフェでもティーバッグが茶碗に入った状態で出てくることがあります。リプトンとかで。原価いくらだよ、とつっこみたくなりますが値段はコーヒーと同じくらいです。

ノンアルコール飲料も、お店で飲むと高いです。つい最近も、コーラ330ml瓶とコップで4.7フランとられました。アイススケート場の近くの庶民的な店だったのに。頼んだのはスイス人でしたので、別に日本人だからと言ってぼったくられてるわけではないのです。あきらめましょう。飲み物の値段とは座席の料金なのです。コーラなどは、小瓶でサーブされる場合に比べて、おそらく大瓶からコップについで持ってきてくれる場合には若干安くなるようです。でもこの手のものってメニューで値段見ることなく注文するんですよね。

歩き続けてバス停に着いたら、バス待ちついでに自分にコーヒーをご馳走しよう。右手建物は昔の交易路の途中にある歴史的建造物のホテル。カフェあります。(2013.08 Engstlenalp)

ちょっとアルコールが入りますが、夏に私が好きなのは、panaché(パナシェ・フランス語)というビールをレモネードで割ったものです。ドイツ語ではRadlerになりますが、スイス語圏ドイツでもパナシェで通じます。ビールの苦いのが苦手な人もこれは甘くておいしいです。ビールに混ぜ物をするということで邪道ですけど。パナシェは頼むと普通は300ml以下のグラスに入って出てきますが、ジョッキでゴクゴク飲みたいという時は、chope(ショップ・フランス語)か ein Kubel(樽)または ein Halber(ドイツ語)と頼むと500mlで持ってきてくれます。

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コメント

  1. 合言葉は同じ誕生日! より:

    リベラ、昔OC大会のスポンサーになってくれた某社の提供で大会で飲みましたが、これと同じ飲料だったのかは不明確‥ ちなみに日本式リベラ、OC大会以外での見たことなく、短期間で消えたようですね

    • panorama-alpin より:

      そうなんですよ。某K社が1980年代に日本で売り出したが売れなかった暗い過去があるそうなので、それですよ!味は確かに薬草っぽいという人もいて、だから果物味が導入されたのだと思う。コーラを始めて飲んだ時の感覚?未体験の味は二回以上飲むと病みつきになる場合もありますよね。結局リベラはスイス以外にはほとんど広まらなかったわけです。

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