スイスにおけるサーカス事情(中)

現在のスイスのサーカスには猛獣がいません!ライオンも象も無し。数年前から廃止されました。以前はサーカスがやって来る!となると宣伝のために動物たちが町中を行進し、象がレマン湖で水浴びをしていたそうです。今いるのは馬、ラクダ、リャマなど。2017年にはヤギが芸をしてました。2018年の演目にはなかったから、前年以上の芸を仕込めなかったのかもしれない・・・調教するのは大変そうだが地味だしなあ。(3月4日追記:Circus Royalというサーカスでは今でもライオンがショーに出てる、と3月3日の新聞にありました。スイスで唯一残ってるそうです。Circus Royalはドイツ語圏スイスを回っていてフランス語圏には回ってこないので知らなかった!)

去年のKNIEのパンフレットより、公演に連れていく動物:80頭

一日に消費される藁:700kg

今はどこのサーカスもそうみたいですが、空中ブランコ系にしてもジャグリング系にしても、演目のほとんどは、毎年異なる芸人を世界各地から呼んでいます。お雇い外国芸人。創業者一族が担当するのは動物芸。2017年にヤギ芸を披露した一族の少年は去年はドローンを操っていました。暗くしたテント内にドローンのライトが多数飛びかい、きらめいていました。今年は何だろう。毎年違う芸にチャレンジしなけりゃならないとしたら大変だなあ。

ヤギはあくまで例外でメインは馬です!美しい!普段そこらで見かける馬とは違う次元。容姿が美しいだけでなく、芸をする馬!賢い馬!

出演アーティスト:38人(国籍は10か国にわたる)

裏方を含めて230人が働いていて、1シーズン(9か月間)で調理される温かい食事が4万3千食分

そういえばKNIEサーカスでデビュー時には4歳だった女の子、小さいながら疾走する馬を懸命に操る姿がかわいかったのが、当然ながら毎年成長し、去年はすでに女帝の雰囲気、とつなぎ役のコメディアンにいじられていた。同感。毎年歌舞伎俳優のお子さんの成長を見守るのってこんな感じかしら?

つなぎ進行役、これもまた外注で毎年変わります。ある年はラスベガスから有名ピエロを呼んでました。去年と今年はスイスで名の知れたコメディアンが担当します。

サーカス一座も経営は必ずしも順調ではないようです。テント興行をするようになってから来年160年のNOCKサーカス(一方のKNIEは今年100周年)は去年見に行ったとき客の入りが悪くて心配していたら、今年は来年に向けて金銭的に備えるので興行を短縮するとありました。幾つものサーカスが来る町もあるけれど、私の住む市はKNIEとNOCKだけなので、NOCKが来なくなったら寂しい。去年の公演で、NOCKの公演がKNIEより劣っていたとは思われず、有名なコメディアンを起用してなかったことくらいでしょうか。サーカスでも開演が20時。終演が23時近くになるので近くに来てくれると有難いのだけど・・・

NOCKはKNIEに次ぐ規模ですが、その他小さめのサーカスが複数あり、夏休みとクリスマス時期には子供向けのサーカスというのも見かけます。

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