スイスにおける死と葬式と墓(4)お墓は使用期限あり

スイスの生活
大都市を除いて、墓地は市町村に一つ、公営のがあるだけな気がする。限られたわずかな平坦な地に家が密集していて、住居用の土地さえ足りていない状況で墓地を無限に拡大することは出来ない。しかしスイスの人口は150年間で3倍に増加・・・
多くの市町村では、墓地には25年~といった期限を選び、期限が来ると引き続き使用するかどうかの問い合わせがあり、更新しないと掘り起こして更地にして次の方のための場所となる。お墓は見苦しくないように、雑草を抜いて花を植えるなどの手入れをしなければならない。義父の墓も25年契約だが、最年少の義妹も既に62歳。墓から離れた町に住んでいる彼女が87歳になるまでか・・・墓に供えるのは切り花ではなく鉢植えか地面に直接の植え込みだが(日本の墓にあるような花瓶は備えられていない)、早々にナメクジにすっかりやられてしまい、結局庭師に手入れを頼む羽目になった。初年度からこれではこの先が思いやられる。小さな区画だからまだ良いものの、これが土葬なら墓はもっと大きな表面積となるわけだ。
お墓の形態は色々あって、個人で一区画を占有したり、夫婦共同のもの、夫婦が並んでそれぞれ一区画を占めているもの、家族が順々に入っている(同じ区画で墓石を共有している)ものもある。家族墓なら25年より長い契約になっているのだろう。
義父の墓がある一画は遺灰壺を埋葬する小さいスペースだが、同じ墓の別の場所には土葬なのか、一つの墓がずっと広い区画もあった。昔は墓地の隅々まで墓で一杯だったけど、今は火葬の人が増え、省スペース化が進んで空いてる芝生部分がずっと増えたという話だ。カトリックの教義的には亡骸がないと最後の審判の際に問題らしいが、カトリックの間でも火葬は随分と広まったようだ。だって格段に楽だもの。それでも、お墓を歩くと人の体を収めた棺の大きさに盛り上がった土の丘が見られる。いずれその上を踏み固めて墓石を設置するのだろう。
墓石で印象深かったのは、家族墓だがそのうちの二人は散骨したらしく、墓石の上に散骨した日付と場所の緯度経度!が記されていたもの。夫婦のうち、何年も経ってから亡くなった二人目の方を、海上の同じ場所で散骨したらしく、何年も後の日付と同じ緯度経度!が刻まれていた。当人たち(の遺灰)は墓の中には入っていないけど墓石に彼らの存在が刻まれていた。家族の他のメンバーは散骨せずに普通に入っているようで、でも私らはなんとしても散骨希望!だったのね。森の中や水辺への散骨は良く聞く。これなら墓の管理・手入れの心配はない。
もっと手軽にコインロッカーのように箱が並んだ墓や、Jardin des souvenirs(思い出の園)と呼ばれる共同墓が墓地内に設けられていることもある。共同墓の場合、亡くなった年でまとめられて名前を刻んである場合や、名前が明記されてない場合も、色々。

Brevine

以前、Brévine(ブレヴィン)というフランスとの国境のすぐ近くの町に泊まり、散歩ついでに当地の墓を歩いた。ここでは墓石に100年以上前の年月が記された個人墓が、草が生い茂る中そのまま残っていてびっくり。Brévineはジュラ高地の麓でスイスでは珍しく平坦な土地がずーっと広がっていて、なるほどここなら墓地を拡大し続けても問題なさそう。またBrévineの人口は150年前の半分以下。人口が減っている!色々な理由があって新住民の流入がほとんどなく、Brévineの墓地の墓石は昔からの地元民の名字がほとんどだった。

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