SembrancherからVens(ヴァン)を目指し、北側の山の斜面を上っています。
Sembrancherから右に行くとMartigny、左へはLe Chable、VerbierがあるBagne谷、奥へはGrand St-Bernard峠。
まだ葉が少しだけどブドウ畑。
森の中の道を登っていきます。車道に出て、かなり長めの車道歩き。歩道無しだけど車の通行量はそれほどない。車道から森の中の道に入り、蛇行する車道に対し、徒歩道はまっすぐに上り、時折車道と邂逅。
Sembrancherがずっと下に。
Vensの家々が見えてきました。
Vensの標高は1111m。Sembrancherのそれが720mだから結構上りました。
集落の最南端にバス停、その真向かいにホテル&レストランCafe Restaurant La Crevasse(写真中央奥)。CrevasseはVensの東側にある岩山塊(1800m)の名。月・火の休業日以外の営業時間は朝9時から最後のお客が寝るまで。レストランのテラス席からの眺めは良いです。手前から右側へ上る舗装路はPlanches峠(1408m)へと続く。Vensへのバスの本数は少なく、日曜日は無し。
集落内の上りがとにかく急勾配。教会堂の近くに共同パン焼き窯がある小屋Four Banal。建物が密集する集落内で火事が発生すると致命的なので、共用窯で決まった日時にパンを焼いていた、というのが理由の一つ。加えて中世の時代から、パンを焼いたりブドウを絞ったり粉を挽くのは領主から住民に与えられたBanalという権利でした。権利と言いながら領主に手数料を払い、新たに窯をつくることは禁止され、一方の領主は施設や機器の保守義務を負っていました。こうした共用パン焼き窯と小屋は各地にありますが、特にValais州の山間部ではFour banalの名で多くあります。現在でも地域住民が集まって昔ながらのパンを発酵過程から共に行い、薪で焼く!そんなパンが不味いわけがない。
Vensの集落内は家々がくっついていて、座って一休みできるスペースがほぼ無いです。教会堂Saint-Bernard de Menthonの前にさえ、空いたスペースが全くない。一休みはレストランと2か所にあるベンチでのみ。ベンチの一つは集落の東南端のゴミステーションのちょっと先、車道沿い。
もう一か所のベンチはCheminへ集落方向に上った町の出口(入り口)にそびえる十字架の下。
Vensの集落と、そのずっと下にSembrancher。右奥に続く広めの谷がGrand St-Bernard峠へ続く道。
Vensのサイト:https://www.vens.ch/
歩行と写真は2024年5月下旬