新型コロナウィルスにより打撃を受けた地域経済に対する支援策、スイスではどうだったのか。スイスでは一人一律10万円のような高額な現金による給付金は、自治体によってはあったかもしれないけど全国規模ではありませんでした。長期に渡って休業を余儀なくされた業種への休業支援とは別に、広く市民全体への支援、というより一般市民の力を利用した内需振興策について書きます。さて施策があった(始まった)のは大体が去年、去年私は遠方の人とはほとんど交流がなく、いまさら聞くのも何なのでごく狭い範囲での話です。
1.Biel/Bienneに住む友人は市から市内の店で使える50フラン(6000円くらい)の金券をもらってレストランで食べた、と言っていた気がする。うん、去年は遠いな。
2.私が住んでいたLausanne市では10月くらいに郵便でお買い物補助券セットが送られてきた。金券や引換券のことをBon(ボン)というのだが、100/40/10 CHF以上の買い物で使える20/8/2 CHFのBon(8と2は2枚ずつ)。全部使いきれば200CHFのお買い物時に自己負担160CHF+40CHFの金券補助、2割引きになる計算。加えて消費額の1割に当たる額が市から店へ補助金として払われるとあったかもしれない(忘れた)。
このBonは無記名なので知人や家族の分をもらって使ってもよし。近頃はバーコードとかQRコードとかをダウンロードする形式が多いが、久々の紙媒体!ネット環境にない人もOK。その気になれば偽造もできそうな印も何もない作りだったけど目的が消費を促すことならばいいのかも。というか8割は消費者負担なので悪用する気にもならないか。使える店はリストにあった市内300余りでほとんどが個人商店。パンデミック下に売り上げを大きく伸ばしたのが大手、巨大チェーンのスーパー各種。一か所で買い物を済まそうとする心理状態から小規模な店ほど打撃を受けたので支援を小規模店に限ったのは納得。このチケット、有効期限は2020年の秋から2021年の4月末までだったが、その後割引額を縮小して追加のチケット販売が6月末まで続いたので消費者と店側の双方に好評だったらしい。
3. Vaud州が行っている経済支援策WelQome。州の支援予算が20millions、2000万CHF、約24億円で合ってるかな(大きな数字は不安)?州の様々な職種、店舗・レストラン・スクール・体験教室に温泉施設などなど、2650のやはり全国展開ではない地元事業への引換券購入に対し、消費者に対し20%、事業主に10%の補助が出るシステム。20%引きは相当な魅力で、秋口に販売が始まると12月には予算を使い切って募集を締め切った。こちらはネット上で購入してQRコード付きのBonをダウンロード。私も普段は大型スーパーで買い物をしているが近所の商店街の昔ながらの肉屋などのチケットを買った。使ってみての感想:こうした機会でもなければ行かなかった店に入ったし、新規の顧客開拓になったと店側も歓迎していたのが印象的。
さて、WelQomeでは他にワイン農家・醸造所のチケットを買って現地に買いに行った。次回。