祝賀会は主賓が主催

10月となりました。読んでる方で、最近職場を移動したり引っ越した方もおられることでしょう。

新生活を始める前の話。職場などでの送別会を誰が主催するかについて。日本では、移動や退職する人に対し、残る側、送る側が開催してくれますよね。スイス、それに多分ヨーロッパの多くの国々では出ていく主賓が主催します。送別会に限らず、誕生日、受賞、結婚、出産や家を買ったとか、目出度いことがあった本人がお福分け?のような気持ちで職場だとか仲間内で会を開きます。人によっては、そうした祝いの席を一度も設けないこともありますが、そういうものです。

在宅勤務が推奨された5年前以降は職場環境が大きく変わったとはいえ、多くの職場では簡単なキッチンや給湯スペース、皆が集まれる一室があり、懇親会が開かれます。

お昼休みに食事&飲み物&デザート的な甘味をふるまうことが多いですが、そこまで頑張りたくない場合は休憩時間や勤務後に、おやつ程度を提供して、一緒に過ごした人たちとの歓談会にします。

料理は自分で作って経費を浮かすのも良し、仕出しを頼むのも良し。それなりの規模の街なら、肉屋などで美味しくバラエティに富んだハムなどに加えてサラダや炭水化物系統を提携業者を通して揃えてくれ、そこに甘いものを菓子屋に頼めば出来上がり。忘れちゃいけないアルコールとノンアルコール飲料。誰でも手を出さずにはいられないポテトチップスやナッツ類を配置すれば完璧。日程から食べ物の手配まで、ここまでは祝われる側が行います。

さて送る側、祝う側ですが、こうした会の開催を知らされた仲間内で世話好きな人がカードを用意し(日本だと色紙ですね)、メッセージを書くように回覧されます。この時にカードが封筒に入ってたら、封筒の中に志(こころざし)、現金を入れて次に回します。いくら入れるかは祝われる側の貢献度、誕生日なのか長年勤めた人の退職お祝い会なのかなどによります。当日、カードと共に現金として渡されるかもしれないし、金額に応じて記念品、金券(買物券や旅行券)に替えて贈られることも多いです。

知人の職場の話ですが、長年の上司が転職するにあたって、送別会(当然転職する当人が主催)が開かれ、同僚がそれなりの金額を渡したところ(世話になったので)、意外にも用意されたのは飲み物の他はポテチやナッツなどの乾き物のみ!ちょっと唖然としたそうですが、そういうところもある人だったよな、で済まされたそうです。

餞別やお祝いの金額は個人の判断に任され、誰がどのくらい入れたか分からない。カードに書かれたメッセージの人数から何となく一人当たりの金額は想像できるが、いくら出すかは個人の裁量、その人ととの繋がりの度合いによります。そして会に供される食べ物、予算についてもやはり、主催者の気分によるわけでして・・・餞別や祝いの金額はは祝われる人へのこちらからの気持ちであり、会での飲食物への対価保証ではないわけですが。そしてその辺の「個人の裁量」に対する許容範囲は日本に比べると緩やか。

しかし封筒に幾ら入っているか、メッセージカードに何と書かれているかはそれまでの自分への評価となるわけで、知るのがものすごく怖い。もしこれを読んでる日本の方で、例えば数か月間だけとかでも、これからスイスの大学や職場で過ごしす方がいるとしたら、自分からありがとうの会を開くのはとても大事なことです。学生の身分で予算が掛けられないのなら、アイスクリームの大きいのを数パック用意してその場にいる人と分け合うだけでもいいのです。そして通知を直前にしてカード&餞別金を用意する暇を与えないというのも一手です(経験済み)。

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