続・ブドウ畑の道（1）Bisse de Mont d’Orge

久々の、Valaisのブドウ畑の中を歩く道。2年ほど前、ロングトレイルChemin du vignobleの途中、SaillonからSionへ行く途中で中断していました。

Chemin du vignobleはローヌ川の北側の斜面に広がるブドウ畑の中をMartignyからLeukまで延々65㎞歩く道で、前回は上記の地図の左端、St-Severinで切り上げてBourgにある町営(?)のワインが飲める場所でワインを購入して終わっていました。今回は、赤の点をつけた道、Bisses de Lentine et de Mont d’Orgeとの名がつけられたハイキングコースを歩きます。距離は8㎞。上方、北東のDroneから南西に下ると2時間とありますが、今回は逆向きに歩き、登りだったのでもっと時間かかってます。

拡大地図。2本の緑線のうち、上がChemin du vignoble、下がBisses de Lentine et de Mont d’Orge。

左下のChateauneuf-Conthey駅（標高490ｍ）から少し歩いた、Pont de la Morgeで交通量の多い車道を離れ、小道を上って行きます。この時点で13時、どんよりとした空。Pont＝橋、Morge川にかかる橋です。Morgeという名はここだけでなく、割とよくある地名です。

Mont d’Orge、Mont＝丘の中腹を歩いています。丘のてっぺん（787ｍ）には城跡も。

アスファルト道（くねってる）からブドウ畑の中の土の道を上るとほどなくして

水路とその端に水量を調節するハンドル。Bisse de Mont d’Orgeです。

BisseとはValaisに多くある灌漑用の水路。降水量が非常に少ないValaisの標高の高い場所では、高い山の頂の雪や氷河が融けてつくる水の流れから水をひいて利用する水路が掘られました。

日本に比べると降水量が少ないヨーロッパですが、Valaisのブドウ栽培地域では特に少ないです。

この一帯のブドウはDomaine du Mont d’Orというワイナリーのワインになります。この黄色の小屋にあった解説板によると、Valaisのブドウ畑の一部では11月以降、ブドウがたっぷり甘みを増すのを待って収穫する伝統があり（通常は9月下旬くらいから収穫）、甘口のワインに。

Mont d’OrのワインはCOOPなどでも手軽に購入でき、美味しい甘口。

水路と下にはびっしり建物。ローヌ川は遥か下。

Mont d’Orgeの丘をぐるっと回ってLac（湖） Mont ｄ’Orge（643ｍ）の横まで来ました。1895年に開通したBisse de Mont d’Orgeは長さ3㎞、標高550～650mにあり、Mont d’Orge湖から水を得てブドウ畑に水を供給しながら流れ、Morge川に注ぎます。最初に渡った橋の下をローヌ川に向かって流れる川です。ここから目指すDroneまで1時間30分の表示。