Jougnena (1) 国境を跨いだSentier de la Jougnena

今回からSentier de la Jougnenaという名の周回ハイキングコースを歩きます。スイスの北西端、フランスとの国境(地図では紫の太線)間近の町Vallorbeを起点に19㎞、累積登攀距離上り480m、下り480m、一周すると5時間。

Vallorbe(ヴァローブ)駅。木の柱。ホームの横にトイレあり。このホームはSBB CFF FFS(スイス連邦鉄道)の列車が発着(終点)。別ホームからはフランスへの列車。

到着ホームから下りる階段の壁には山と湖、スイス観光の絵。

描かれているのはZermatt(ツェルマット)。19世紀後半から怒涛の観光ラッシュ!鉄道が出来るとVallorbe駅からスイス各地に人々が運ばれていきました。それまで地元民にとっては邪魔な存在でしかなかった山に対し「素敵!」と見出したイギリス人観光客が先駆けです。今では飛行機や車がありますが、当時は鉄道しかなかったので。またVallorbeの隣のBallaignesには多数の長期滞在型ホテルが建設されました。

駅外観。時計は正午で止まってます・・・すぐ横にはBuffet de la gare(駅前レストラン)あり。その規模に対して立派過ぎる駅舎なのは、建てられた当初、ここが外国人観光客の主要受け入れ駅だったから。

駅前にはハイキング表示板がしっかりあります。素晴らしい!地名の後に「F」と付いてたらフランスの地名。

下方にVallorbe市街。実は駅は市街から随分と離れた上の方にあります。

左端にVallorbe鉄道駅。駅から南東に下り、町の中心部まで下りていくとレストランや商店が両側にある通りがあり、Orbe川にかかる橋(赤矢印)の先には郵便局や役場などがある広場。

Casino(カジノ)の建物も。スイスでこうした外観のカジノが出来たのは19世紀後半。その頃は賭け事の場ではなく社交の場。現在は町の公共施設になっているようです。またVallorbeにはレストランが町の規模の割に多い気がします。

Orbe川の先にはVia Francigenaでも訪れたOrbeの町があります。以前VallorbeからOrbe渓谷を歩いた時の記録がこちら。そういえばOrbeにもカジノありますね。今回歩く135番のSentier de la Jougnenaは周回コースなので、反時計回りにこの川沿いを歩き始めても良いし、逆回りに歩いてこの川沿いを戻ってきても良し。私は今回はVallorbe中心から時計回りに、川沿いではなく、まずは北方に上って行きます。川沿いに進むと美しい現役の鉄道の高架橋Viaducがあり(地図ではV)ます。

Vallorbeは古来からの鉄の町。川沿いを少し行った所にあるMusee de fer et de chemin de fer(鉄と鉄道博物館)は元々は製鉄所だった建物。

昔の製鉄炉(といっても現代のとは雲泥の差のある原始的なの)は水車の動力を利用していたので川沿いによくあります。Vallorbeと国境を越えた先フランスのJougneを含めた一帯は合わせて鉄産業がありました。これから歩くのはJougnenaという川に沿ってで、Jougnena川の水力を利用して鉄関連産業(製鉄の他に鍛冶屋など)が行われていました。

博物館の中にあったパネルによると、スイスの国会Palais Federalの塔の下の丸天井の内側には東西南北4枚のスイスの産業の絵があり、そのうちの一枚はVallorbeの製鉄。国を支えた産業。Vallorbeの場面だという証拠は、後方に描かれた特徴のある山の頂、Dent de Vaullionが描かれているから(背景の丸の中)。

これはDent de Vaullionではなく、Orbe川のほとりから駅方向を眺めた所でVallorbeの北西方向になります。中央のちょっと上方に駅があり、フランスへ向かう列車は駅から西側、左方向に進み、すぐにトンネルに入ります。このMont d’Or(モンドール)トンネルを抜けた先に、TGVの駅Frasne。そう、VallorbeはパリやディジョンへのTGVが通っています(始発駅はローザンヌなど)。

Sentier de la Jougnena:

https://schweizmobil.ch/en/hiking-in-switzerland/route-135

Vallorbe観光サイト:https://yverdonlesbainsregion.ch/en/stay/our-region/vallorbe/

広域観光サイト:

https://yverdonlesbainsregion.ch/

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