赤矢印がLa Villa「Le Lac」。ハイキング道とはなっていませんが、Nestléの建物と湖の間にある点線（破線）は普通に一般人も歩けます（入り口に歩けますよ看板がついてる）。Plageとあるのは屋外プール（一般人向け有料）。
湖の際の道を行った端から見るとこんな感じ。中央右寄りに、真ん中に四角く穴が開いている白い壁。
これがLe Corbusier（コルビュジェ）が建てたLe Lacという名の小さな家。白い壁は家の壁ではなく、庭を隠すように湖際に建てられた壁。芝生に置かれた小さなテーブルと2脚の椅子。そこから窓枠から眺めるように湖を愛でるために、正方形に切り取られています。
Nestle本社の前の道を更に続け、ロータリーを越えると左手に市民プール。その先は落ち着いた雰囲気
ネスレの建物から歩いて10分くらい、1923年に建てられたLe Lacは今年100周年。去年大々的にメンテナンスをし、塗料など100年前のオリジナルに近いものを塗り直し、外壁内壁共に大変繊細な状態なので触らないよう、写真撮影も禁止。よって今回の写真は後日、閉まっている日に外から撮ったもののみ！内部の写真は、オフィシャルサイトなどでご覧ください。
入場時のパンフレット写真。湖の際に、建物と、建物の右の庭を隠すように窓枠のように穴をあけた白い壁
湖畔に建つ家は（本当に湖ギリギリ）、敷地自体がとても小さく細長く、建物も縦4m長さ16m、64平方ｍ。Le Corbusierが当時60代だった両親のために建てたもので高齢な両親がお手伝いなどの手を借りずに二人だけで暮らせる家。
上下逆ですが、一つ前の写真、湖側から建物を見た場合は、この配置になります。
建物の入り口（湖の反対側、道路に面した側）とトイレ以外は「ドア」がありません。寝室（Chambre à coucher）、居間（Salon）、客間（Petit salon）が横一列に並び、壁で仕切られていますがドアは無し（壁の真ん中が切ってあって通れる）。ドアが無いことで躓くリスク減。当時出始めのリノリウムを床に使用。上の写真、青で示された客間には小さな洗面台（出っ張ってる小さな部分）がありますが、板で隠せるようになっており、またベッドもスライド式で壁際に寄せて置いてありました。湖側には当時のガラス板制作技術としては限界の、帯状の11m長の窓。
現在はすぐ隣が船を係留しておく場所になっています（Corbusierとは無関係）。
建物の端、屋根部分です。屋上庭園になってるらしい。
この部分は平屋。屋根と言えば傾斜を付けた三角屋根が一般的だった当時、平らな屋根は珍しく、近所の人からは「いつ屋根を付けるんだい？」と聞かれたらしい。
道路側の白壁。こちらが入り口の扉。本日は閉館日。
Villa ＜Le Lac＞。Le Corbusier（本名Charles-Edouard Jeanneret 1887～1965）といとこのPierre Jeanneretの共作で1923年建。
玄関。
外壁がアルミで覆われています。
玄関から西側の部分。
開館時には、この屋根がある外部分に受付が設けられていました。この西側の2階部分は1931年に付け足されたもの。入場時には手荷物を全て預ける必要があります。ハンドバックなどの小物でも容赦ないです。カメラはそもそも撮影禁止だから持ち込めないし（この写真は金網の隙間から撮ってます）。その代わり、鍵付きの長押のような入れ物で預かってくれてました。
父親は入居して1年足らずで亡くなり、母親と後にはLe Corbusierの兄Albert（1886～1873）が二人で住み続けます。100歳まで生きた母親も、息子がいたとはいえ最後までお手伝いさんの手を借りずに住み続けられました。以降はLe Corbusier財団による管理。
建物も４ x 16ｍと細長でしたが、土地自体も12 x 30ｍと細長。庭側と道路側にそれぞれ4mのスペース。
1923年当時は家に面する現在の州道も舗装されていない道で、周辺はのんびりとした緑に囲まれた場所でした。ローマ時代から重要な通り道だったけど。
写真は2023年9月前半
Le Lacの入場料は大人14CHF（現金のみ）！狭くてそんなに長居が出来ない場所にしてはお高めな感じもしますが・・・2023年には事前予約等は不要でしたが、入り口で入場できる人数を調整していました。大体皆さん30分以下で退出するので待ち時間はそれほどなかったです、、、2023年は夏場以外は土日の14～17時のみ、10月末を最後に冬場は閉館。Vevey駅から徒歩20分くらい。
Le Lacの公式サイト：
Corbusier財団のサイトから：
https://sites-le-corbusier.org/en/oeuvres/villa-le-lac-le-corbusier-corseaux/