スイスの学校の夏休み

9月です。スイスの小学校の多くは8月の中旬から後半にかけて新学期、新年度に入りました。

5月下旬のGros-de-Vaud（Vaud州）

夏休みに限らず祝日や他の長期休みも、毎度のことながら州によって違うのがスイスです。私が住むVaud州の場合、夏休みは7週間、7月3日（土）~8月22日（日）ですが、すぐ隣のValais州は6月19日（土）~8月13日（日）の8週間！川を一本隔てた隣でこの違い。

聞いたところによると、学校の休みは昔、子供が重要な労働力だった時代、特に農作業が忙しくなる夏に、学校で学ばせるのではなく手伝いをさせるための休みだったそうです。暑くて勉強には向かないから休みなわけではないのです。

夏の間の重要な作業、それは牛や羊や馬などの家畜用に、冬に備えてひたすら草を刈って干し草にしてためこむこと。イメージではスイスの山岳地帯ー–寒そうー–冬休みが長くて夏休み短い？と思いがちですが、実際は山岳地方や寒冷地では冬になって雪が降ると農作業はあまりやることがなくなるので子供の労働力は必要ではなくなり、冬休みは特に長くはなかったそうです。

むしろ山岳地帯や農作が盛んな地帯が夏休みが長かったとか。もっとも農作業が機械化された現在は事情がかなり変わっています。草を刈って干し草にする作業は現在でも初夏から秋の終わりまでずーっと見かけますが、子供が混じって働いているのを見るのは稀ですね。

Vaud州とValais州（スイスの西部、南西部）の学校休みの比較です。季節以外の名の休みはほぼキリスト教関連の祝日です。両州の休みの違いはカトリックとプロテスタントの違いによる部分が大きいです。この小っさい国でなんで二つに分かれているかについてはいずれお話ししましょう。また12月24日、日本ではクリスマスイブということでクリスマス当日より盛り上がりそうですが、州によっては24日が休みじゃないところもありますよ！