スイスにおける、人それぞれの語学力(1)

Bern市内の小学校(現役)

スイスで生きる人はどの程度多言語を操れるのか?答:人それぞれ。

Bern市内の小学校(別の角度から)閑静な住宅街にありました

スイスには4つの公用語がありますが、ある地域で話されるメインの言葉(その地域の公用語)は多くの場合一つのみです。ではドイツ語圏とフランス語圏において(ロマンシュ語とイタリア語圏はちょっとおいといて)、それぞれ互いの外国語に当たる言語をどの程度理解しているのかというと、人それぞれというしかないと思います。

BernのInselspital近くの学校

そして語学能力というのは学歴の長さ、華麗さとはそれほどリンクしていないのです。一番の原動力は必要かどうかで、それなりに若い時期に語圏をまたいで活動している人はいくつもの言語を流暢に操ります。しかし、近年はドイツ語とフランス語、互いのもう一つの公用語よりも英語の方を重要視する傾向があり、教育熱心でお金に余裕のある親御さんだと「英語」習得のためにさらっと英語圏に一年間ホームステイさせる傾向にもあります。スイス内で生きるというより世界を向いてるような。

Rivazの小学校(現役)

それでも、少なくともある程度の年齢以上のフランス語、ドイツ語圏で育った層では、義務教育を終えた時点で相手の言葉を聞いてなんとなくでも意味が取れる、文章が理解できるようにはなるようです。日常生活でのちょこっとしたスイスドイツ語での会話を聞き取るのは結構難しくても、標準ドイツ語で、はっきりと明瞭な話し方でならわかる。

上の写真のRivazの小学校、遠くから見たところ、集落左側に塔が見える

しかし!読んで聞くのと、自分で文章を書いたり話すの間には、3億光年ほどの開きがあります。ドイツ語圏とフランス語圏の住人の間で会話をする際、ドイツ語で話しかけ、相手はそれを理解するもフランス語で返す。それを理解するもドイツ語で返す~こうしたやり取りはテレビのインタビューなどでもよく見かけます。

もっと遠くから。Rivazはラヴォーのブドウ畑の中

ついでに、よく言われる「フランス人は日本人の話す英語を理解してもフランス語で返してくる」との苦情がありますが、それって当然といえば当然で、日本人が何となく英語で言われたことを理解できたとしても、英語で答えられるかというとそれはまた別な話。外国語は本当に大変。ラテン語起源の言語同士であっても。

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