13時、San Giacomo-Filippo(標高522m)へはVia Splugaのハイキング道(緑の線)を離れて集落へ下りました。
地図ではオレンジ色の線で描かれているようにハイキング道表示があり、標識通りに進むと町中の教会に出ます。この当時、町には唯一の軽食どころがありましたが、今調べてみるとなくなっているのかも。
通りを抜けてから斜面を上り、
山中の道を歩くとChiavenna(キアヴェンナ)が見えてきました。
暑い!
San Giacomo Filippoは100年以上、人口が減り続けています。Chiavennaはその点、人口がずっと増加傾向なので、皆さん山合の町から(やや)都会へ出て行っているのでしょうね。
イタリアのハイキング道の標識。
Chiavennaは人口7000人以上。こうして山から下りてくると大都会(!)のように感じられますが、ここはまだまだイタリアの北部国境の際の際だし、イタリアの他の本当の「都市」に比べると全然大したことないのです。
こうして近くに見えてからも遠かった。
申し遅れましたが、歩いてきた谷はValle SplugaともVal San Giacomoとも両方の言い方があります。
14:38 ついにゴール、Chiavennaの街中に入りました。
14:55 Chiavenna駅前です!
スイスの黄色の郵便バスがいる!青いバスはイタリアのですね。駅前でアイスを買っただけで、すぐに郵便バスに乗って東へ、スイスに入ってStampa-MalojaーSilvaplannaの車窓絶景、乗り換えてJuliapass経由でChurへ戻ったのでChiavennaはほとんど見学していないのですが、見どころは色々あります。
そりゃ何といってもローマ帝国時代からの交通の要所。Chiavennaからは北へはLiro川沿いにSplugen峠、これが私が歩いてきた道。南へ向かうとMera川流域の平野(Piano di Chiavenna)部分がぐっと広くなり、Como湖へとつながっていきます。Como湖はLuganoの南東、ComoはMilanと肩を並べる強大な勢力でした。
また北東へVal Bregagliaを進みスイス内に入るとMalojaとSeptimerの二つの峠。Septimerpass(ドイツ語)=Passo del Settimo(イタリア語)=Pass da Sett(ロマンシュ語)の名の元になったSettとは岩の意味。なんと青銅器時代から中世時代までにかけてはとても重要な通行経路。
駅前の写真は2014年のものなので今はどのような標識がついているか不明ですが、2021年の時点ではVia BregagliaはChiavenna(標高333m)からMaloja(標高1800m)までの36.6㎞、所要時間11時間コースでハイキング道となっています。
これはSchweizMobilのテーマ名がついた公式ハイキングというよりグラウビュンデン州観光局が定めたトレイルのようですね。とはいってもハイキング道自体はスイスではおなじみの黄色の菱形か赤白縞のマークがついている所をたどるのだと思われます。SchweizMobil管轄ではVia Panoramica Val BregagliaというSoglioとMaloja間18㎞、5時間40分のがあり、Via Bregagliaの上方を通るようになってますね。
更にこれは壮大!ViaSettは総距離110㎞、6日間、ChiavennaからChurまでのロングトレイル。ロング&中規模トレイルは時々名前やコースを改変して整備しなおすことがあり、2014年時にChiavennaに表示があったVia Bregagliaが延長整備されてViaSettと名を変え、Via Bregagliaは州が定めた道となったのだと思います。ViaSettとはもちろん前述したSett峠を通る道で、トレイルはMaloja峠、Septimer峠(Septimerpass=Pass da Sett)を経由しChurとChiavennaを結びます。中世までは主要通行路であり、1800年代にJulia峠が整備されるまでは現役だった「歴史の道」です。ViaSett、私も未踏です。いつの日か歩けるかしら。Chiavennaで私の旅は終わりましたが道はどこまでも続きます。
写真と歩行は2014年8月末