チーズ工房&販売所&レストランMaison du Gruyèreを見学します(一部有料)。Gruyères駅の東側に城がありますが、駅の西側正面にドーンとあるのがこの施設。チョコレート列車に乗ると、午前中まずここを見学してからバスで丘の上の旧市街に連れて行ってもらってお昼を各自で食べます(自費。レストランは何軒かある中から自分で選んで注文する)。
Maison du Gruyèreでは大きなチーズ製造スペースの上の回廊を30~45分で回り、チーズを作る過程をガラス越しに見学できます。日本語のオーディオガイドもあり。チーズを仕込む作業は一日に4回あり、時間についてはHPに載っています。
400リットルの牛乳から35㎏の円盤状のチーズ(meule)が1つできる=1㎏のチーズには12リットルの牛乳。
大きな丸い銅製の槽(cuve)には4800リットルの牛乳が入ってます。一つの槽からは12個の円盤型チーズができる=この工房では毎日48個のmeule。茶色のCuveはまだ牛乳が入っていない空状態。Cuveが4つあり、毎日順番に牛乳で満たし、温めて撹拌して~~~の作業をするので一日4回の実演タイムがあるわけです。
meuleの直径は55~65㎝、高さが9.5~12cm、重さは25~40kg。表面の茶色の「皮」には一個一個日付などがナンバリングされてます。
Cuveで牛乳を温めたり圧縮したりしたのち~最後は熟成過程にある棚びっしりに並んだmeuleを見ます。製造過程見学は有料ですが、meule蔵は入り口のお土産売り場の隣で無料で見られました。meuleは初期は毎日、のちには毎週一回は塩水で表面をこすります。おじさんがmeule棚の間を滑車がついた台に乗ってやってきて、一つ一つ確認しては棚から取り出しては塩もみしているのが見られます。ここもそうだけど、「観光」も目的としているチーズ工房だと作業場がガラス越しに見えるようになっていて、おじさんがカメラ目線をくれる。
湿度が高い天然の洞穴はチーズの貯蔵と熟成に最適で、例えばVallorbe(Vaud州の北端フランスとの国境)の鍾乳洞では、併設のお土産屋で洞内で熟成されたチーズを売ってました。
熟成は最低でも5ヵ月。期間により味が変わっていきます。一番若い5か月の熟成ではdoux(マイルド)、8か月 mi-salé(やや塩)、10か月 salé(塩辛)、12か月 surchoix (特選)!
Gruyère AOPには4種あって:
1.Gruyère AOP Classic(クラシック) 最低5か月の熟成期間
2.Gruyère AOP Réserve(蔵出し) 10~18か月熟成 味・香りがより強くなる
3.Gruyère AOP BIO BIO Suisseの基準に則った原料、製造方法
4.Gruyère AOP d’Alpage(高地での放牧) 春先の4~5月から10月にかけて高地で放牧された牛からの乳を現地で加工したもの。チーズ製造には、ハイジのおじいさんがやってたように、銅製の大釜(chaudiere)と薪の火で温めるべし。今でも50余りの酪農家兼チーズ工房が営業中。山の中、といっても奥深い山というより広々とした高地です。だって周囲で牛さんを放牧させなきゃ。2010年と数字が古いですがGruyere AOPを作る228のチーズ工房のうち52がAlpage。全生産29000tのうち80tがAlpage。次々回にはSentier du fromagerie(チーズ作りの道)をを歩きます。
La maison du Gruyère公式HP: https://www.lamaisondugruyere.ch/homepage-en/
Gruyère地方の公式観光サイトから(WEBカメラもあります)
https://www.la-gruyere.ch/en/Z10266/la-maison-du-gruyere-cheese-dairy
Fribourg地方のチーズ
https://www.fribourgregion.ch/en/Z9712/cheese