残念ながら、一度は沈静化したかと思われたCOVID-19の新規感染者は再び増加傾向。ついに6日より公共交通機関乗車の際にはマスクが義務となります。そしてJura州とVaud州では店舗内でのマスク着用が義務化。今までの措置は全国レベルでしたが久々の州毎の決まり事!
交通機関の全国レベルでのお達しは、ほとんど感染者のいない州であっても、あっという間に州境を越えるから、という意味合いもあったようです。自宅待機要請は強い禁止命令にしなくても割と守られたけれど、マスクに関してはここまでの「強く推奨」程度ではほとんど着用されず、頑なにマスクを拒む人もいるのです。感染者も増えてきて、経済活動が再び止まるのは本当に勘弁してほしいのでこの「義務化」は結構なこと、とそれなりの人はとらえていると思います。が、義務化ならマスクを無料で配れ、と言い出す人までいて、またどうやって取り締まるのか、電車から引きずり下ろすわけにはいかないだろうし(7月6日追記:マスク着用を拒否すると次の駅で降りるよう要請されるようです)、、、更には、スイスの交通機関は改札無しで、車内での検札。定期券の顔写真をマスクした状態でどうチェックするんだ?
感染の拡大を防ぐ切り札、スマホのアプリ「SwissCovid」が6月25日から運用を開始しました。それから5日間で80万、9日間で100万以上のダウンロード(スイスの人口は850万人)。一定時間以上、一定距離内で一緒だった人、というよりスマホをBluetoothで認識し、認識番号が14日間スマホに記録されます。感染者がコードを入力すると、近くに一定時間(1.5m以内の距離で15分)あったスマホに通知が届きます。私もダウンロードしましたが、電話番号以外の登録情報なし(電話番号はスマホにダウンロードするのに必要だった)、記録はスマホ内のみに蓄えられ、どこかのセンターに集められることはない、アップルやグーグルに情報が渡ることは無い、ということになってます。
ちなみに、周辺国に仕事や遊びで出かけた場合には、その国の同様のアプリをそれぞれ仕込む必要があります。イタリアなどはスイスと同様のシステムだが、フランスだけは中央にデータが集まるシステムだ、と言ってたな。流石フランス。
既に多くの国への国境が開かれ、もうすぐもっと多くの国への渡航が可能になります。そこへ7月2日に発表された決定:感染リスクが高い国に滞在した後にスイスに入国する場合、申告と10日間の自己隔離の要請。リスクが高い国とはアメリカ、ブラジルなど中南米、ヨーロッパではスウェーデン、それにバルカンの国、セルビア、コソボ等が入ってます。
さて2008年に旧ユーゴのセルビアから分離独立を宣言したコソボ(セルビアは承認していない)、国民の9割はアルバニア人。コソボ紛争の際、コソボから本当に多くの人が国を逃げ、スイスのアルバニア系は26万人。コソボ本国の人口が180万人なのでそれってすごい・・・現在アルバニア人はスイスでイタリア、ポルトガル、ドイツに次ぐ4番目の外国人コミュニティを形成しています。
このスイスのコソボ人、夏休みにはコソボに帰省して地元にお金を落としたり豪邸を建てたり、彼らの経済活動が地元経済の大きな部分を占めてます。それなのに、スイスに戻った後、自宅から出られない=仕事に出られない、とは困る!という話が出てたな。本当にどこまで困らせるんだ、このウィルス。