日本で宿に泊まる際のお楽しみの一つが大きなお風呂、じっくり浸かって温まったら、もうそれ以降は浴衣でお部屋でテレビ見ながらゴロゴロする。満腹でビールでほろ酔い、翌日出発するまで宿から一歩も出ずに過ごす…ではスイスの宿というと、バスタブがあることは滅多になくシャワーのみ。安ホテルだからとか、ホテルの不備というわけではなく、個人の住居においても近年はバスタブは無しにしてシャワールームを豪華にしようとする傾向があるみたいです。
夕食は自分が泊まるホテル併設のレストランで食べなければならない、という縛りはありません。レストランやホテルが複数ある規模の町でしたら、自分の好みのレストランを探しに街に繰り出してみましょう。値段とか雰囲気とかメニューとか、スイスなら18時くらいから食べ始められるはずです。
天気が良かったらテラス席はいかがですか。食べ始めはまだ太陽がまぶしいですが。食べ終わったらコーヒーを前に長々と居続けるもよし、満腹の胃の消化を助けるために薄昏の中を歩くのもよし。北欧ほどではないけれど、夏は日が暮れるのがとても遅いのです。
スイスの町は、古くからの街並みが残っているとはいえ、昼間の暑い日差しの中を期待して歩くと、正直言ってガッカリする可能性大です。壮麗な大聖堂があるわけではないし。ところがこの大して見るものがない規模が、腹ごなしにブラブラ歩くにはちょうどいい大きさなんですよ(個人の意見)。人通りのない暗くなりかけの小路に入り込んでも大丈夫かと聞かれたら、絶対安全との保証はしないけど、そこをあまり気にしないで歩けるところが、スイスなんじゃないかと思います。もっとも、ひったくりの心配をしないで夜の街のそぞろ歩きをしたいと思ったら、ビッグネーム観光地じゃない、もっと小さな町を選ぶのも一案です。大きな駅の周囲はやはり、色々な人がいます。もっとも大きめな都市でも日本の街よりずっと安全な印象もありますが。
Poschiavoは食後のそぞろ歩きがとても楽しい歴史のある小さな町でした。広場Plazza da Cumunを取り囲む建物の中には見張り塔を従えた市庁舎。Sant’Annaの礼拝堂の隣には骸骨が見える納骨堂。広場の周囲にずらっと並んだテーブル席。歴史的建物を巡る散策マップもありました。上の写真は「Spaniolenviertel」。スイスの他の町の例にもれず、この町からも多くの人々が国外に移住していきました。そのうちのスペインでお菓子作りで財を成した人が19世紀に帰ってきて建てたのがこの建物。町の南端の通りに洒落た家々が連なっています。
St.Moritz周辺の宿と同様、Poschiavoのホテルも2泊以上すると滞在中、出立の日を含めて有効なGuest Cardがもらえます。Ospizio BerninaからTiranoまでの鉄道とバスが乗り放題。他に博物館やプール、スケート場などにも入れます。
Poschiavo周辺の観光サイト:
https://www.valposchiavo.ch/en/