ジュリーの公演キャンセルの報道記事を読んで

沢田研二さんがアリーナのコンサートを直前にキャンセル、その理由が客の入り(というかチケットの売れ行き)が悪くてスカスカの中で歌うのはプライドが許さなかったから、という記事を読んで思い出した。

昔ジュネーブに住んでいた時、近所のオペラに通っていた。いつも一番上の階の、一番安い席のチケットを買っていたが、客席への入口でのチケットチェックの際に、「もっと前の席に移ることもできますが、いかがですか?」と尋ねられ、タダで一番前の一番高い席のチケットに替えてもらう、ことが実に何回もあったのだ。

シーズン券を買って(これが驚くほどお得で一回当たり2000円程度で見られた)好みとか知ってる演目などに関わらず見まくった。ある年などは、どうしてこの演目?と尋ねたくなるような、人気演目を外しまくった渋いタイトルが続いたことがあり、その年は8割くらいの確率で前から1~4列目の席に振り替えてもらってた。一番前の席って必ずしも見やすいわけではないので(迫力はある)、先に売れるわけじゃないらしい。そして最前列が空いていると舞台上の人は演じにくいのだろう。気を悪くするのかな。天井桟敷の席のつもりで超ラフな格好で来たら(だって一番上まで階段をひたすら上る必要があるので。エレベーターもあったけど)、うん万円の席で盛装の恰幅のいいカップルの横で気が引けたことがあったので、それからは少しだけ見苦しくない格好で行くようにした。

前の方の席が空いているときに、劇場側が最も後ろの席の客を前に移す、そんな経験は他でもあった。例外的にサーカスの公演はガラガラでもそのままだったな。劇場経営者=出演者だからだろうか?

自分が購入したのよりずっと安い金額しか払っていない客がすぐ隣にいることに対し、疑問を持つ人もいるでしょう。私にとって、やるせないのはむしろ、大きなホールで全席同一料金の日本のシステムの方。NHKホールの最前列と3階席の最後列が同一料金ってどうなのよ?3万円払っても最前列の真ん中で見たい人と、2000円なら見て(聞いて)みてもいいか、って人、両方いるよね?ダフ屋に3万円払うんだったら正規に劇場、あるいはアーティストに払いたい。日本でもクラシックのコンサートでは場所ごとに料金が細かく区分けされてるのにどうして?運にお任せでチケットが自宅に届くまでどの席かわからないのっておかしくない?

ヨーロッパのネットで買えるほとんどの公演は購入時に希望する座席を指定することができ、しかもQRコードが印字されたチケットを自分で印刷できるようになっている。今はスマートホンにダウンロードもできるかもしれない。希望者には今でも紙のチケットを自宅に配送、その場合は配送料がかかる。日本での公演チケットは郵送してもらうシステムだから、日本での住所がないと買えない。それはまだいいけど、クロネコヤマトの人手不足と過剰労働が問題になったとき、チケットの手渡し配送システムがかなりの重荷になっていると聞いて、誰得?と思った。(現在はゆうメールの簡易書留)。コンビニで引き取る方法もあるけど、コンビニへのアクセスがなければそれまで。

ちなみにダウンロードしたチケットを自分で印刷する方式、一部のシステムでは購入者の名前と生年月日がチケットの背景一面に強制的に印字される。転売防止用と思われる。A4の紙に印刷したチケットの下半分に広告が入ることもある。

チケットぴあが登場してチケット購入システムが画期的に変わってから既に数十年。インターネット、スマホと次から次へと新しいものが登場して、日本への海外からの観光客がこれだけ増えて、色々変わるときではないだろうか。

冒頭の写真はジュネーブのVictoria Hall。内部がとても綺麗。一応、通常の公演じゃないときに撮った写真。ここはチケットの値段も様々なら舞台の見え方も値段相応に様々。

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