以前、街中で食べるお昼ごはんについて書きました。カフェやパン屋でも食事ができることが多いこと(逆にピザ店などでコーヒーだけも可)、大きなCOOPやMIGROSの最上階にあるレストランではセルフサービスなので比較的安価に食事ができること。付け加えると、メニューの付け合わせの野菜はメニューの表示以外でも変更出来ることが多いので、嫌いなものがあったら言ってみるべし、です。
ハイキング途中で食事処がないときはどうしましょうか?そう、ピクニックです!街中でも昼食を安く上げたい時、ピクニック!席の確保やチップが面倒な時、単に息抜きしたい時、緑が見たい時、ピクニック!
スイス人、いやヨーロッパの人は気軽に「お昼はピクニックにしよう」と言います。街中ででもです。最初私はお重に詰めたお花見お弁当を敷物の上で食べる、本格的なピクニックを想像したのですが、もう本当に簡単に、サンドイッチ一つと飲み物一本でもピクニックと言います。日本のピクニックを期待しているとがっかりします。
市内ガイドツアーで「お昼はpique-nique (pic-nicとも)dans le sac à dos (リュックサックに入れておく)」と書いてありました。年配のおば様たちが多かったこともあり、途中トイレ休憩を兼ねてカフェでお茶を飲みましたが、お昼は公園のテーブルとベンチでした。そこでおば様たちが取り出したのはパンの塊(スイスでは食パンより塊状のパンの方が一般的)、チーズ、果物丸ごとゴロゴロ。アーミーナイフを使い、各自その場でサンドイッチを作って食べ始めました。果物もその場で切るかかじるか。アーミーナイフは男は兵役の最初に貰うらしいし、女性の保有率も相当高いと思います。その場で作るんだ!朝早く起きて準備しなくてもいいんだ!日本の切り口も美し~いサンドイッチを見せたら驚愕するわ。感心はするけど決して真似はしないだろうなあ。
パン、チーズ、ハム、果物が手に入ったのなら、山でも街中でもほぼ同じです。ボーイスカウトの男の子がナイフで切り出したパンに、同じナイフで抱えた瓶のパテを塗って食べてました。そういえばホテルの朝食ではナイフしか出てないことも多いです。フォークが無い!どうやらハムもチーズも蜂蜜も、パンに載せて食べるものらしい。パン原理主義。
春になって暖かくなり、人々がわらわらと外に出てくると、つい私の頭に浮かぶのは「啓蟄」の言葉です。お昼ご飯代を倹約したい学生や、高い給料もらってそうな服装な人までが、テイクアウトの食料や家から持参した食料をもって公園や湖畔、川沿いで陽に当たってます。街中に残る広大な緑の公園は、大概は昔々大金持ちだった人の屋敷の名残ですが、こうして憩いの場所になっているのを見ると、それはそれで良かったな、と思います。
スイスの場合、レストランがとにかく高いので、学生や職業実習生にとっては死活問題。緑の中と言わず、そこら辺の階段に座り込んだり立ったまま食べたりもしています。
では天気が悪くてピクニックが出来ない時や温かいもの、汁物を食べたいけど節約もしたい時はどうしたらいいのか?価格を押し上げているのは人件費なのでセルフサービスの店、なるべく人の手がかかっていない食堂(COOP、MIGROS、MANORなどの大型スーパーでは最上階が食堂のことが多い)となりますが、地方に行くとほとんど選択の余地が無いのが悩みどころです。