Chemin des Blés(麦の道)は麦畑をはじめとする畑作地の中を歩きます。
Vaud州はレマン湖の北側に広がる比較的大きな州で、一部ではPays de Vaud(州じゃなくてVaud国)とも自称しています。湖をのぞむブドウ畑が有名ですが畑作地も牧草地も山岳地も全部ありますよ~そして州北部のGros-de-Vaudと言われる地域は穀倉地帯なのです。
一面の畑、と言ってもアメリカやフランスの大規模農作地に比べるとずっとずっと小規模な、なんてことのない景色なのですが、スイスと言えども時計作ったり札束数えてる人ばかりじゃなくて、大多数の人は農業に携わっていたんだなあ(過去形)と思わされる眺めの中を歩きます。
Chemin des Blés は茶色の標識がついています。いつもの黄色の標識のついたハイキング道とは別の団体によって運営されています。多くは黄色の標識のハイキング道と共通する部分を歩きますが、一部はChemin des Blés独自のルートです。
利用できる交通機関はSBB/CFFの列車の他に、Lausanne, FlonからEchallensを通ってBercherを結ぶLEBという鉄道(Swiss Travel Passの範囲内)、それに黄色の郵便バスCarPostal。
1、バスの本数が少ない!土日や祝日には全く無くなる路線も多いです。平日でも学校が休みの時期には減便のことも。定期便の他には電話で予約して呼び出すオンデマンドバスPubliCarが利用できます。
2、遮るものがない広々としたところでは風が半端なく強いことも。照りつける太陽にも注意。盛夏にはあまりお勧めしません。暑いとか風が強いという日は、吹きっさらしの畑作地ではなく点在する森の中の道の方がいいかもしれません。
3、大型のトラクターなど農業機械が通る道ではポール状の標識は邪魔になるので代わりに黄色や茶色の矢印が路面に描いてあることが多いです。これ、路面に雪が積もると見えなくなります!同様の理由から曲がり角ではなく、その手前に「30m先右折」などの表示になってることがあります。簡単な道筋ではあるが地図は持って行った方が良いです。
4、比較的平坦な土地に小規模な集落が点在しています。1時間程度歩けば次の村が出てくるので本来なら気軽な歩きに最適なのですが・・・住民の多くが車で遠くの大型商業施設に買い物に行き、集落内の商店やレストランの多くは大変な状況にあります。車があれば周辺の都市に仕事に通えるので新築の建物が増え、村はかつての農耕地帯から住宅地としての一面を持つようになってきています。でも食事処が無いとトイレ休憩が出来ないのでちょっと困る。一部の村では、村内で住民の生活がほぼ完結していた時代の名残を建物に見ることが出来ます。
5、地図上では平坦に見えるが歩いてみると緩やかな上り下りがあります。
6、時折トラクターなどが農道を疾走してきますので気を付けて端に寄りましょう。
森の中の川沿いの道は、ぬかるんでいることもありますが、山道に比べるとずっと手軽な靴と格好で歩けます。ほとんど普段着でも大丈夫です。わざわざ日本からこの道のためだけに歩きに来るのはなんですが、もし この周辺に用事があって半日ちょっと歩きたいという場合には是非!
指定されたハイキング道以外でも、どこを歩いてもそれほどの問題はありません。(自分がどこを歩いているのかわかっていれば)
Chemin des Blésのサイト(フランス語、ドイツ語)
http://www.chemin-des-bles.ch/
電話で予約して呼び出すPubliCar
https://www.postauto.ch/fr/publicar