一方の日本での体験。
西伊豆の富士山と海を眺めながら歩く絶景散策路、のはずの道。昔々に整備されたらしいがほったらかしで、地元発行の案内マップと昭文社の山地図を携えた私でさえ道がわからない。地図にはちゃんと記載されているのに。歩く前に確認した地元の観光案内所の方、親切でしたが、一度だって自分で歩いたことはないでしょう。途中ガイドに引率されたグループとすれ違ったけど、ここ、ガイド無しでもわかるようにしてくれたら、いくらでも遠くから歩きに来るのに。歩きに来る人は、現地の宿に連泊してご飯も食べますよ。お金使いますよ。
立派な散歩道(手すり付き)が絶景スポットの最寄りのバス停からの往復部分にだけ出来てたけど、私はもっと長い距離を歩きたい!散歩道の整備とは言ったけど、コンクリートで固めるのはやめてほしい。そんな大層な工事じゃなくて、できれば土のままでお願いします。土の上を歩きたいです。わざわざ「ザ・遊歩道」という感じのを作らなくても、既存の道が危険なく歩ける状態にあるかどうか、チェックしていただければな、と思います。
伊豆の次には能登を歩く機会がありましたが、海が無いスイスの人にとって、海を見ながら歩くのは憧れのようでした。田んぼの向こうにチラチラと見えるだけでもいい、日本では特に目新しくない風景でも、歩いてみるととても素敵。
もう一つの野望はロングトレイル。今連載しているのはVia Sbrinz。そんなに長い期間スイスにはいられないから、そんな長い距離の連載されても困ると思っている方もいらっしゃるでしょう。ごもっともです。でも私はロングトレイルを歩くことで開眼したので、ロングトレイルを少しでも紹介したい。一気に歩かないでも部分だけでも大丈夫な、自然のど真ん中のじゃなくても人の暮らしに沿ったところを歩く、やさしいロングトレイル。私が一番最初に歩きとおしたトレイルはVia Francigena、延べ17日。最後の二日以外は全日、家から日帰りで歩きつなぎました。最後のイタリアとの国境、St-Bernard(セント バーナード犬でも有名な峠)に着いて峠のホスピスに泊まって、あの先はイタリアだーって眺めてました。四国八十八か所の歩き旅もきっとそうなんでしょう。ずっと先、どこかへ行きつく歩き旅。これが日本でもっと歩けるようになってほしい。日本のロングトレイルもいつか歩きたい。山の縦走は体力的に無理になっても、昔の人がたどった道、旧街道を少しずつ歩きたい。少しでも地域の活性化につながったらな、などと大それたことを夢見ながらも、そんな願いを込めて書いてます。
書いたものを公表するにあたり色々調べて色々学んでます。自分の旅の備忘録を記録としてまとめる作業も、こんなことでもなければなかなかやらないので。これからどう発表していくか、どこまで出来るか、自分でも楽しみにしています。読んでくださって有難うございます!
コメント
数年前の夏休みにバスで通ったSt-Bernard峠、ここ歩きたいなあとすっごく思いました。
St-Bernard峠のホスピスで、この道をさらにローマまで歩きとおしたフランス人に会いました。退職後にご夫婦で歩いたそうで、イギリスをのぞむフランスの沿岸からスイスを経由してローマまでずっと。その年は雪が多くてこの峠が歩きじゃ越せなくて、ローマまで到達してから峠を歩きに来たそうで。彼らによるとイタリアの山は規模が大きいらしい。つまり延々上って、延々下りる。大変だった!と言っていた。