スイスでのお宅訪問

クリスマスから年末年始にかけては、招待したり、されたりする機会が多いです。まずは招待された場合:スイスのご家庭訪問時のちょっとした注意事項。もちろん、スイスと言っても住んでいるのは様々な国から来た人たちを含みますから人により様々です。

呼び鈴を鳴らしてドアが開いたら、ご挨拶です。握手か、ほっぺを合わしてチュッ、をするわけですが、玄関のドアから内側の空間に入る前に玄関マットでしっかり靴底を綺麗にしましょう。雨や雪で靴底が濡れていることの多い冬場は特にです。たとえきれいでも、家の人が見ている前で繰り返すと好印象です。実は私は、握手しなくちゃ、ありゃ手が汗ばんでるぞ困ったな、うー とかあたふたして失念することもあり、一歩踏み入れてからしまったー となります。意外にも室内は土足じゃない家も多いので、靴は脱いだ方がいいですか?と聞いてみましょう。どちらでもいいですよ、と答えて来ることが多いですが、待ってましたとばかりにスリッパを手渡されることもあります。

手土産は、あってもいいし、なくても失礼には当たらないと思います。招待されて、行きますと返事するときに、何か持っていってほしいものはありますか?と一応聞いておきましょう。また招待した場合は、食べられないもの、アレルギーになる食品などありますか?と尋ねておくといいでしょう。

手土産として便利なのはワイン一本、お菓子、花などがあります。値が張る物じゃなくて大丈夫です。むしろ、高価すぎると相手が気にするかも。ケーキについては、「招待する側が手作りのデザートを作って待ってる可能性があり、バッティングするので避けた方がいい」という説もありますが、結構もらいます。当日中に食べ切らなきゃいけないような「生ケーキ」じゃなければ大丈夫なのではないでしょうか。保存がある程度効くちょっと高価なチョコはいつもらっても嬉しいです。

時間。招待された場合、指定された時刻より若干遅く行く、との説もありますが、スイスの場合は怖ろしいほどに時間に正確です。早めに来るくらいです。一度、引っ越し見積もりの営業マンが予定時刻の20分前にピンポン鳴らして来ました。日本の営業マンだったら、土砂降りの中でも家の周りを周回して待ってるよ、ね?私は早めの場合は建物前でちょっと時間つぶしをします。相手が何処の国の人かにもよりますね。

手土産に日本の食べ物を持っていくのはどうか?これもまた、ものすごく個人差があります。煎餅や餡たっぷりの和菓子を喜んで食べる人もいるし、若くて海外にもあちこち行っている若い人が、「日本に出張した同僚が買ってきた煎餅の中に、海苔が付いているものがあって、職場中が衝撃を受けた」と語っていたこともありました。煎餅に海苔、最高!と私など書きながらヨダレが出てきますが、食べ慣れぬものを無理強いするのもね。私は日本の料理やお菓子を、必ずしも日本のファンというわけでもない人に食べさせることには積極的ではないのです。だって日本の食材は貴重。勿体ない。私が食べる。こちらで無理なく手に入る食材で日本食をふるまうことはしますけどね。

よく言われることですが、日本ではクリスマスは彼氏彼女と過ごす日ですが、スイスをはじめとするヨーロッパでは家族と家庭で過ごす時間です。クリスマスには何処かに招待されているのか、それとも人を家に招くのか?と聞かれます。「クリぼっち」との言葉がありますが、一過性(!)の恋人がいない場合は来年こそは、と奮起することもできますが何らかの事情で帰る家族がなくなった場合の寂しさは想像を絶するものがあります。そのため、連れ合いを亡くすなど一人でいることが予想される人に対しては「家族」に留まらず、一人で過ごさないで済むように方々から夕餉への誘いがあるそうです。日本だと「喪中の人」はそっとしておきますが、こちらでは積極的に声をかけます。「家族」がメインで過ごしますが「ヨソモノ」を受け入れる度量のある人も大勢いることを付け加えておきます。たとえば親と離れてやってきた難民の子供をクリスマス期間中に住まわせるなど。

さて年末の大掃除ですが、特別にやる習慣はないようです。少なくとも「窓掃除は春にやる」のだそうです。寒いし。

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