今回からはKlausenpass(クラウゼンパス=峠)越え、7月中旬に歩いた三日間の記録です。しばらくの間お付き合いください。
Glarus(グラールス)州のBraunwald(ブラウンワルド)から歩き始めます。チューリッヒから湖沿いを南東に列車で一時間弱、Ziegelbrücke(ジーゲルブルッケ)から南に進路を変えると目の前にどーんと山々が現れます。山の隙間に町々が形成されているのですが、KlausenpassはGlarusと隣のUri (ウリ)州を結ぶ峠の一つで、標高1948mにあります。
http://www.bergfex.ch/sommer/glarnerland/panorama/
Glarusのパノラマ地図。下端中央のZiegelbrückeから南の方向に見たパノラマ地図です。中央に延びるYの字の形の谷を右(西)へ進むとBraunwald (1) からUri州のUrnerboden(ウルナーボーデン)(2)、Klausen峠 (3) を経てAltdorf(アルトドルフ)へと続きます。
http://www.bergfex.ch/sommer/braunwald/
Braunwald周辺のパノラマ地図はこんな感じ。一段高くなっている所の真ん中にBraunwaldがあります。そこから谷を迂回して左端、Nussbüel(ヌスビュール)へ向かいます。
http://www.urnerboden.ch/ub_files/image/sport/wanderkarte_gross.jpg
Urnerboden中心のパノラマ地図。下部右端のもっと右、画面外にBraunwald。Urnerbodenが地図中央部にあり、上部中央のKlausenpassに登っていきます。
http://www.spiringen.ch/downloads/panoramakarte.pdf
Altdorf中心のパノラマ地図。画面中央上部がKlausenpass。そこから下部中央のAltdorfまで歩きます。
パノラマ地図を見るとすごい山の中を歩くのか?とひるみそうになりますが、峠越えコースは、なるべく上り下りが少なくて済む山の間の抜け道なので、見た目よりは楽です、多分。
BraunwaldはGlarus州にあり、Zurich(チューリッヒ)の交通システム ”Z-Pass Ostwind” 範囲内です。以前お話しした、Vaud州のMobilisと同様、料金は走行距離ではなくゾーンの数で決まり、範囲内の切符は購入後、有効期限(時間)があります。ゾーン制切符についてはMobilisの項を参考にしてください。(Mobilisと異なる部分もあります)
Braunwald(1256m)へはふもとの駅 Linthal Braunwaldbahn (660m) からケーブルカーで上ります。ここは冬にはスキー場になり、乗り場にはスキー場で見かける改札ゲートがあります。ゾーン内なので列車の切符で乗れるのですが、ゲートを通るためには窓口でゲート用の切符をもらわなければなりません・・・どこにも書いてないけど。
Braunwaldへはこのケーブルカーを利用するか、歩いて上る(2時間)しかありません。農業などの業務用以外の一般の車でのアクセスが不可、着くといきなり馬車がいた(観光用)。おかげで夜間はとっても静かでした。
新鮮な空気を求めて長期滞在する病気療養者用の高級クアハウスの時代を経て、Braunwaldはスキー場として華やかな時期がありました。そのため、珍しく朝夕二食込みの宿が多く(スイスでは通常夕食はつかない)、周辺に比べると宿代が割高です。そして現在。この標高でのスキー場は地球温暖化による影響を受けて苦況にあります。ファミリー向け企画で生き残りを図っているようですが停滞感は否めません。南斜面で日当たりはいいのですが。私は一泊のみで次の朝すぐ出発しましたが、連泊して周囲に多数あるコースを歩くこともできます。