両側を山で挟まれた空間をReuss川、高速道路(薄オレンジ)、鉄道(赤の線)、普通道路(ピンク色の線)が平行に走っています。Amstegからここまでとこの先しばらくは、バスが走る普通道路の東側の斜面のふもと、道路より少し高いところを歩きます。
集落と集落を結んで歩きますが、すぐに集落の外の緑地、家がポツンとしかない中の細道に出ます。左手には平坦な部分、緑の牧草地があり、羊の群れが見えたりします(右手)。
しばらくの間、鉄道から離れて歩いていましたが、まずは川に向かって両側石垣の間を降りていきます。ここまでアスファルトの道を歩く部分がとても少なく、地図でいえば点線で表されるような、草か土の上を歩く道がほとんどでした。
そして地図では赤の線で示された鉄道を横断し、しばらくは線路と川の間を歩きます。
すると左側に橋が。Kriegsbrucke(仮設橋) Modell 1936年とあります。ゴッタルドベーストンネル建設に伴い生じる多量の建設残土を運ぶのには仮設線路を使った輸送だけでは足りず、軍用の橋として使われていた橋(ここから南に行ったGurtnellenにあった)を分解して運び、ここで再び組み立てました。2009年のことでした。1936年モデルは組み立ては簡単だけどネジが多くて時間がかかったそうです。近づいてみると確かにネジネジ。
橋のそばには解説パネルがあります。そう、ErstfeldからGöschenenまでは鉄道敷設125周年の年に沿線がGothardbahnwegとしてハイキング路が整備され、解説パネルも充実してます。トンネルなどの歴史建造物に加え、この谷の交通面での重要性などに関しての説明が英語を含む4か国語で書かれてます。
蒸気機関車の回転台が出てきます。
やがて目の前に現れるのがJagdmattkapelle。公文書に最初に記録が書かれたのは1339年ですが、現存するのは1637~38年にかけて建設されたもの。ネオバロック形式。
Erstfeldの駅です。Via Gottardoのトレイルが出ているのは、下の写真とは反対側、バス道が無い側からです。写真は歩いたのとは別の日に撮ったもの。最初ErstfeldからWassen方向に上ろうとしたのに、出だしがわからなくて、つい来たバスに乗ってしまって、それでこのように反対方向に歩く羽目になったんだったわ。
Erstfeldが劇的に発展するのは1882年の鉄道開通以降です。馬や人にとってはAmstegが「上りの前に一息つく場所」でしたが、鉄道にとってはErstfeldから上りが始まります。さらに、2016年に完成した新ゴッタルド鉄道トンネル(Basistunnel)はErstgeldのちょっと北から始まっています。この地域のことを知るには、鉄道のことを語らなければならない。そして実はこの鉄道愛にあふれた(?)地域には実にたくさんの見学ツアーや展示があるのです。それは次回。
またUri州は西隣のNidwald州と並び、ロープウェー、特にオンデマンドロープウェーの数が多いです。今回歩いた道の両側はすぐ山になっていて、この斜面を上ってくロープウェーが時折現れます。上の写真(これは私の撮影ではなく、Uri州観光サイトからお借りしました)はSilenenからChieligerbergへのロープウェーです。御覧の通り閉所恐怖症の人でも大丈夫な(でも高所恐怖症の人には大変な)作りで、このような形態のが結構あります。オンデマンドタイプでは定時運行ではないので自分で呼び出す必要があるかもしれません。このタイプの乗り方に関して以前私が書いた記事を参照してください。
Uri州の観光サイトから、34のロープウェー一覧
https://www.uri.swiss/de/erlebnisse/seilbahn-eldorado-uri/seilbahn/
歩行と写真は2013年10月中旬。
Erstfeldの公式サイト:https://www.erstfeld.ch/
そのなかでバナーKulturのところをクリックするとハイキング、オンデマンドロープウェーのコーナーがあります。
仮設の橋(現在でも継続して使用中)については以下を参考にしました。
https://www.gotthardbahn.ch/7_news/infos/archiv/news250.htm
https://www.gottardo-wanderweg.ch/images/PDF/wanderfuehrer_beispielseiten.pdf