スイス交通システム(10) PostAuto (PostBus) CarPostal

大きな駅では無料のWifiが使えます。使用に際しては最初に電話番号を登録します。設定からWIFIの「SBB-FREE」を選択すると登録画面が開くので、入力した電話番号にショートメッセージ(SMS)で送られてきたパスワード(数字)を入力します。よってSMSを受け取れる電話番号(日本の携帯の電話番号の場合は最初に+81をつければOKだが、SMSの受け取りができる設定にしておく)と手段が必要です。

PostBus (ポストバス 英) (PostAuto ポストアウト 独)(CarPostal カーポスタル 仏)と呼ばれる黄色い郵便バス内でも、多くの場合、無料WIFIが使えます。SBBのシステムとは別なので、同様にSMSで受け取ったパスワードを入力して登録します。実は、バスに乗らなくても、ターミナルに停車中のバスに近づいただけでWifiが入ったりする・・・

PostBusは今でも郵便物を運んでいます。郵便局の扉に下げられた郵便袋。EngadinのMustairで。建物の壁の黄色の看板は郵便局、左側のはPostBusのバス停の印。

バスは黄色のラッパのマークのPostBusとそれ以外に大きく分けられます。PostBusの黄色のラッパのマークは郵便馬車だった時代の名残り。そして今でも見通しの悪いクネクネ道では、ラッパ様のクラクションを鳴らして走っています。最初に聞いたときは暴走族の「パラッパパー」の音かと思いました。このクラクションで、郵便バスは自分の存在を知らしめ、他の車の注意を促し、通行に当たっては他の全ての車を後退させる優先権を持っていました!その分PostBusは道路の修繕費などを負担してきたらしいのですが、なんと!近頃PostBusはこの費用負担を止め、よって優先権もなくなったので今後つくられるバスにはラッパの装備がなくなるとか。何か聞こえると嬉しくなったんだけど、あのラッパの音。

このようなクネクネ道をバスは行く。 Grimsel Pass

さて、都市部内を走るバスの多くは停留所に切符の自販機があり(クレジットカード使えるものから小銭しか受け付けないものまで様々)、乗車前の切符の購入が義務なのに対し、PostBusの大多数の路線では切符は乗車時に運転手から買えます。

そして、PostBusの路線の多くは鉄道と接続しています。すべての鉄道駅の自販機でそうかは不明ですが、少なくともSBB/CFF(連邦鉄道)の駅にある切符の自販機では、鉄道区間(SBBの分と他の私鉄の分)に加えて、その先のPostBus路線の切符までが通しで買えます。

しかも、この自販機は、購入駅とは別の出発駅を選べます。スイスの面積が九州くらいだとすると、熊本駅からJRを使って人吉まで行き、そこから私鉄のくま川鉄道に乗り換えて湯前駅、その先のバスの切符が、例えば福岡県の太宰府駅の自販機で、しかも数日前に買えてしまいます。この切符は同じものがオンラインでも買えて、例によってQRコード付きの切符をスマートホンにダウンロードできます。

バス停、トイレ、水場(ここのは飲料不可だけど)の幸せの三位一体

スイスの交通は、鉄道、バスともに、とても乗換がスムーズ、むしろ乗り換え時間がとても短くギリギリです。切符は鉄道の場合、乗車前に買わなければなりません(スマートフォンで買える現在、乗ってからでも何とかなるといえばそうだけど)

PostBusの場合は、乗車時に運転手に切符を見せるか、切符を買います。鉄道からバスに乗り換える場合は、バスは切符を販売し終わるまでは発車しないので問題ないのですが、バスから鉄道に乗り換える場合、鉄道は時間が来たら発車してしまいます。よって、PostBusから鉄道に接続して乗る場合は、バス乗車時に、バスとその先の鉄道を合わせて最終目的地までの切符を買ってしまうことをお勧めします。だって本当に乗り継ぎ時間が短いのですから。下の写真のようなミニバスでだって、うんと先の鉄道を合わせた切符が買えてしまいます。通しで買ったからと言って割引にはなりませんが、自販機で焦って買う手間は省けますよ。この自販機が慣れた人でも相当にめんどくさい代物ですから。駅の自販機の多くではクレジットカードを使えますが、バスでは現金のみです。

このようなミニバスでも鉄道を含めた切符が通しで買える

スイスの鉄道はこの数年間で無人駅がどんどん増え、駅員はいても有人窓口は次々と閉鎖され、検札の職員は不愛想になり、大幅な人員と経費削減に躍起です。

切符の購入はなるべくインターネットで済まさせようとしていて、お年寄りなど情報弱者にとっては大変に困った傾向です。ご紹介した切符システムも、今後周知することなしに変わる可能性が大いにあります。大変ですが、自衛するしかないです。

とある郵便局の営業時間:月~金が16~18時、土曜が午前中の一時間。郵便局も近い将来大幅に減る計画予定。

そういえば一度だけ、PostBusのつもりで黄色い車体を待っていたら、そこは特別なのだか、その日だけだったのか不明だけど、全然違うミニバスが来て乗り損なったことがありました。Jaun Passでの話。

PostBusのホームページ Excursion Tipsとあるカラムにバスに乗ってのハイキング提案もあります。

https://www.postauto.ch/en

鉄道駅が街の中心部から離れていることが多いのに対し、バスの停留所は町の中心を通り、運が良ければトイレが近くにあることも。ほっとする旅の終わり。

昔の郵便馬車 Gothard峠の博物館

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