ラジオのFM放送継続決定、SSRなど主要放送もFMで復活予定

スイスの生活

2024年12月31日をもってスイスではFM放送が終了、DAB+などのデジタル放送に移行したはずでした。スイスでは最も聴者が多いと思われるSRFの放送を50年物の旧来のラジオを聞いていたところ、新年を迎えるカウントダウンの後、数秒後にプツンと静寂が訪れました。

しかし、地域のミニ放送局など私営のラジオ局に限っては、2026年末までFMでの放送が可能、とされていました。ちなみにスイスではAM放送は遥か昔に廃止、FM放送が将来的に無くなることは2014年から明言されていました。しかし、2024年半ばの時点でFM放送でラジオを聴いている人が9%はいるというデータもあり(しかしこのデータ、家にFMラジオしかないのか、複数あるラジオのうちの一台なのか不明)、2024年末が近づくと、駆け込み需要で電器店で売っているDAB+のラジオはどれもビックリするくらい高額な物ばかりになり、ラジオ愛好者のそれなりの割合を占めると思われる経済弱者に対してあまりにも非情との批判が相次ぎますが、それでも容赦なく、SRFやRTSなどSSR系列の、スイス全土をカバーする公営大手放送局はFM放送を終了。

家で聴くラジオより更に高くつくのが車に備え付けるラジオ。これを取り換えるとなるとスイスの高い高い手間賃・工賃を含めて大出費。ブーイングの嵐が巻き起こりました。

スイスが日本と違うのは、フランスやドイツなど隣国のラジオが普通に聞けることです。FMラジオしか持たない人は、それならと隣国のラジオに乗り換えました。一説によると5分の1とか、6万人とも言われる聴者がスイスの公営放送を見捨てました(スイスの人口はおおよそ一千万人で、日本の10分の1以下ですよ)。どうやって数えたんだろう、とも思いますが、これって言語的には理解に問題はなくとも、スイスで生きる住民として知っておくべき自国のニュース報道から漏れるということですよね。

それでもSSR系列の公営放送は全世帯から半強制的に受信料を徴収しているから何とかなっています。しかし、今後私営ラジオでのFM放送が無くなることによる聴者の減少は広告収入に頼る、それら私営ラジオの経営を圧迫することは明らか。私営ラジオの訴えが認められてFM放送の継続、つまり電波塔の保持が少なくとも2031年末まで延長されました(2025年11月)。

そうしたらSSR系統のラジオ局もFMでの放送を復活させると声明!えっ!慌ててデジタルラジオを買った人とかFMラジオを捨てちゃった人とか、思うところは色々あるでしょうね、、、高速道路のトンネル内のFM放送用のアンテナを既に撤去してしまったという噂もあるし。

FM放送には設備面で相当の経費が掛かるのは事実ですが、ドイツやフランスは当分の間FM放送を止める予定はないそうです。スイスはなんといっても小さい上に、複数の言語に分かれているのでそれぞれの言語で放送局を持つとなると経費が掛かるので、なるべく早くFMを廃止したいところですが、難しい所です。

今回の写真はバーゼル州St.Chrischonaにあるラジオ放送の電波塔

FM放送の存続決定を受けて、SSR放送もまたFM放送に復活、の報:

Suite à la décision du Parlement, la SSR fait marche arrière et va revenir sur la bande FM | RTS
La SSR a décidé jeudi de rétablir la diffusion de ses programmes radio sur les ondes FM, suite à la décision du Conseil ...

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