義父は住んでた家から徒歩3分の老人ホームで亡くなり、最期を看取った娘(私の義妹)は役場に連絡したのち(この辺りの流れはホームの人が教えてくれたらしい)、ホームからすぐそばの、義父宅の隣近所をピンポンして当主が亡くなったことを知らせて回った。義父は97年、生まれてからずっとその家で育って住んでいた。
病院など自宅外で亡くなった場合、亡骸が家に帰ることは、ほとんどないようだ。日本だったら亡くなった人が自宅に戻ると「忌中」の紙が貼られ、なんやかんやと常とは異なる人の出入りがあったり、喪服の人が大勢集まったりして誰かが亡くなったらしい気配が感じられることも多い。日本では亡骸が帰ってから出棺となるわけだが、スイスの場合は亡骸は自宅に戻らず、直に火葬場に搬送されるか、葬儀までの間、教会近くのそれ用の建物や葬儀関連の施設に安置される。町を歩いてて霊柩車に出会うこともないし、あのタイプの霊柩車がそもそも無い。お葬式最中の家に出くわしたことは今まで一度もない。現在のスイスでは自宅で葬儀が行われることも、とりあえず「出棺」まで自宅に安置されることもほぼ無いらしい。
日本だと役所への届け出の他に、自治会に亡くなったことを伝える所もあるだろう。日本の実家の母が、以前は訃報が自治会の回覧板で回って来たけどコロナ以降は何となく立ち消えになったと言っていたが。スイスでも小さな市町村などで町の中心の掲示板に訃報が出てることもある。
スイスで日本よりずっと身近なのが新聞への死亡通知。ごくごく普通の人が新聞に出す。実は最近、近くの教会で葬式らしきものがあり、結構人が集まっていたので誰だろう?と日付、町と教会の名で検索して葬式の主役の名が分かり、その名を更にググったら、新聞のお悔み公告Web版から、亡くなられたのが同じアパートに住む住民の母親のパートナーと知った。知らせてもらうほどの関係ではなく、近所でその住居は我が家から良く見える位置にあるのだけど新聞告知が無ければ全く気付かなかった。
ちなみに、新聞やテレビなどの報道で事件や事故での死亡事故での被害者の名前が出ることはほとんどない!年齢はそれなりに公表されるけど。意外にも、未成年か成人かにかかわらず、加害者の名前が出ることもまた、ほとんどない。有名人じゃない限りは。
次回は新聞告知の例について。