2024年12月31日をもってスイスでのラジオFM放送が終了!大晦日の晩、昔ながらのラジオで聞いていたら、新年へのカウントダウン 10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、明けましておめでとう~~~という賑やかな声。おっ まだ聞けるじゃん、と思っていたら数秒後にプツリ。50年来愛用のラジオは永遠の沈黙に入りました。
ちなみにAM放送はもっとずっと前に終っているので現在のスイスでラジオを聞こうと思ったらDAB+というデジタルのラジオ、スマホやインターネットで聞けますね。
独立系の地方局だったら、2026年末までFM放送を続けますが、SRG,SSR系統のラジオ放送はアナログラジオでは聞けなくなりました。
災害時の情報を得る手段としてのラジオ。日本でもAMラジオの廃止が予定されているのかな?スイスだって長期停電がないとは言い切れないのに、国防の点でそれでいいのか?大丈夫なのか?いや待って、ラジオを日常的に聞いている人ってどのくらいの割合なのかしら?
それでもカーラジオの需要もあり、年末年始は多くの電器店でDAB+ラジオが品切れになっていたそうです。FM放送の廃止が通達されたのが10年前、この一年はしょっちゅう機器の買い替えを~と警告してましたが、やはり皆さん先延ばしにするんですね。私は10年位前に買ったラジオが既にDAB+形式でしたが、これって壊れやすいんですよ。液晶部分だとか、時刻表示のフリーズだとか接続部分とか。それにしても高齢の経済弱者の友でもあるラジオのFM放送を停止するとは情け容赦無い、との声は多くありました。
その昔、3本のAMラジオ用のアンテナでスイス全土をカバーしていました。ルツェルン州のBeromunster(ベロミュンスター)、ティチーノ州のMonte Ceneri(モンテチェネリ)、ヴォー州のSottens(ソットゥン)。それぞれドイツ語圏、イタリア語圏、フランス語圏への放送を担っていました。第二次世界大戦中はスイスの放送アンテナからヨーロッパ全域に自由ラジオの放送が発せられました。
ローザンヌの北部にあるSottensは以前特集したスイスの畑作地、小麦の産地にあります。多少の起伏はあるものの、「平坦」といってよい地形。以前連載した「麦の道」を歩ける地域。
複数本のアンテナが同時に存在した時代もありますが、現在でも残るのは(放送アンテナとしての役目は担っていないけど)1931年に建てられたもの。
1994年にRSR La premiereの放送アンテナとしての役割が終わった後は2010年まではOption Musique、それ以降はアマチュアに開放。2014年までは電話通信会社のSwisscomの管轄下でしたがそれ以降は自治体が買い取り。
現在はSottensにあるクライミングジムが定期的にアンテナに登るイベントを行っているとか。高さ125m。
今回の写真と歩行は2020年5月下旬。SottensはMoudonとEchallensをつなぐ道の途中にあります。
ブックカフェL’Antenneのサイト:https://www.l-antenne.ch/
本サイトでの「麦の道を歩く」意外にも3回しか書いていなかったけど。