Via Francigena (103)　出発地点が変わっていた

Via Francigena、フランスとの国境（付近）からイタリアとの国境、Grand St-Bernard峠まで完踏しました！私は2013年と2023年の2回。と思っていたのですが、

今年の4月頃、何気なくhttps://schweizmobil.ch/en/hiking-in-switzerland　の　https://map.wanderland.ch/　を眺めていたら、出だし部分が変更されてました！それまでは上の地図の上端にあるSte-CroixからVuiteboeuf、Baulmesを経由してOrbeでしたが、今はスタートが地図左下のBallaignesの西の国境からOrbe渓谷を通ってOrbeなんですね（太緑の線）

Via Francigenaの最初の行程部分が変わるのは今回が初めてではありません。そもそも色んなロングトレイルや普通のトレイルのコースが現地状況の変化に応じてだか、それなりに変わっています。2013年に私が歩いた時はSte-CroixーVuiteboeufときて、湖畔のYverdon-les-Bains、2日目がYverdon-les-BainsからMathodを通ってOrbeでした。この経路は2日目にYverdon-les-Bainsから住宅地と畑作地を50分くらい、1日目に通ったのと同じ道を出戻り、しかもこれといった特徴のない（失礼！）住宅地と畑作地を歩かなければならなかったので、それを避けたのかなあ、と思っていました。しかし、今回の変更はずっと大掛かりです。

考えられる理由の一つはフランス側に合わせた？Via Francigenaはイギリス・フランス・スイス・イタリア4国の共同プロジェクトでもあります（今年30周年）。これ見ると、フランスから、これまではPontarlier（仏）からSt-Croixの経路だったのが、現在この経路はバリエーション扱いで、正式のはJougneからBalaignes経路になってますね。

去年記事を書いた時は地図上で太緑線（名前が付いてるハイキング路）だった、Ste-Croixからフランス国境近くのL’Aubersonまではこちらから。

さてSte-CroixからVuiteboeufですが（地図は以前にキャプチャしたもの）、

St-Croixの標高が1000mを超えており、ここから緩やかに下っていくのですが

冬から春先にかけて、標高の低い土地ではどんよりとした霧に覆われるのですが、ある程度の標高に上がると霧の上に出て冬なのに青空を楽しむことができます。Ste-Croixは気軽に雲海が体験できる場所。

それはさておき、Ste-CroixーVuiteboeuf間が避けられた理由として考えられるのは、後半部分で大きくジグザグに走る車道を徒歩道が横切るように下りる必要があり、この車道が週末などは交通量が多く、時には爆音の車とバイクの走っている横を歩かなければならないのがストレスだったと言えばそうかも。

でも、この区間名物の、馬車用に整備した石積みの道が車輪によって削られ通りにくくなるので平らにならし削った結果、側面に段々の跡が付いている歴史道、これを通らないのは残念。もしかしたら歴史的に貴重なこの道を保全する計画があるのかもしれません。

なお、Ste-CroixとAubersonにあったオルゴール・精密機械博物館は統合され、2024年6月に新装開館しました：

https://www.musee-unique.ch/

Via Francigenaは元々はイギリスのカンタベリー大司教がローマへ行くのに通った経路が元とされています。Grand St-Bernard峠に近くなると、自然と通り道は狭まり、必然的に通れる個所は限られますが、フランスとの国境からの入り口は一つではなく多数の経路があったわけです。St-Croix、VallorbeやBallaignesに限らず多くの人達が長い間をかけて南のローマになるべく楽に行ける道を模索していったので。