欧州人権委員会の判決:スイスは気候変動対策が不十分

4月9日、欧州人権委員会スイスの気候変動対策が不十分だとの判決を下しました。これはKlimaSeniorinnen Schweizという会員2500人を抱えるスイスの市民団体(64歳以上、つまり年金生活者の団体)が、現在進行している気候変動は75歳以上には特にリスクが高いのに、有効な政策をとらない政府は人権を侵害している、と自国の政府を訴え、欧州人権委員会はその訴えを認める!!!

この判決には拘束力があり、EUを脱退しているイギリスを含む欧州46か国の法律に影響を与える可能性あり。といっても、委員会がスイスに監視団を派遣して注意して回ったり、何かを強制するわけにもいかず、そもそも国連等で停戦を要請しても全然戦争が収まらないくらいなので、この先スイス政府にどうやって行動を起こさせるのか?メディアの役割云々などと言っているけれど、この歴史的な判決の今後の展開は不透明な気がする。

欧州人権委員会(フランスのストラスブールにある)には年間5~6万件の訴えが持ち込まれるそう。今回、KlimaSeniorinnen Schweizが委員会に告訴したのが8年前。団体代表者もここまで長くかかるとは思わなかったと語ってました。成功のカギはなるべく多くの人や団体に関わってもらうこと、と至極真っ当なことも言っていた。

それにしてもスイスなので、ほぼ全ての決まりごとは国民投票にかけられて、しかも賛成多数で採択されなければならず、全てにおいて更にものすごく時間がかかる。ここ数年でも地球温暖化対策関連の事案が随分あったような気がするが、地球規模の地球温暖化(言葉が被ってるなあ)という敵はあまりに強大。そして日々感じる、ミサイル砲撃一発でどのくらいの無駄に二酸化炭素排出してるのか?考えるのも恐ろしい・・・いや、二酸化炭素問題とは別の惨劇なんだけど。

スイスというとハイジと山、特に雪を抱いた山のイメージで、寒くて自然が豊かなイメージがあるかもしれないですが、現実の温暖化は恐ろしいスピードで進んでいます。スイスの氷河を抱く山塊はヨーロッパの主要河川の源流。ヨーロッパの給水塔なので、ここが干上がると大変なんだけどな。そうは言ってもスイスで走っている車は無駄に大型して、用もないのにブイブイ走り回っていて、レジ袋を削減してもこれって何なのかしら?私はハイキング記事を連載していますが、全然歩かず近所への買い物も車という人の方が多いのかもしれないし、市民の意識は様々。

過去の気象データが見られるサイト↓ 日本もそうだけど、スイスでも過去の思い出気象データが当てにならなくなってますね。旅行者に対し、どんな服装で来ればいいのかアドバイスするのがどんどんと難しくなっています。

https://www.meteoblue.com/fr/meteo/historyclimate/weatherarchive/lausanne_suisse_2659994

https://www.historique-meteo.net/europe/suisse/2024/03/

委員会について、日本での説明サイト↓結構色々訴えることが出来るのでびっくり。

https://www.echr.coe.int/documents/d/echr/Questions_Answers_JPN

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