前回まで連載していた「スイスでの仕事の話」、最初は「若者の就職事情」についてでしたが、その背景にあるスイスの中高年を含めての労働事情についても書いてたら、どんどん長引いてしまいました。SwissSkillsの写真(私が見たのは会場のごく一部の職業に過ぎなかった)を最初に景気よく使ってしまったので手持ちの学校建物の写真を載せ始め、ついには住んでるLausanne(ローザンヌ)中の学校の写真を撮りに行きました。観光局でもらえる紙地図上に印をつけ、歩いて回りに行きました。こういうことでもないと行かないエリアの小さな道をたどって見つけるのは楽しかったです。
スイスの学校には学校であることを示す表示がないところが多く(校門や学校の表札もない所が多く、実は小中学校に限ってはGoogleマップにも表記がない)、またほとんどが塀に囲まれていない!建物以外の中庭などは自由に入れるところがほとんどだと思います。週末には近所の人が通り抜けて散歩したり、中庭でサッカーしてたり。学校専用プールは無く公共プールを共有しています。昔の建物では特に校庭が猫の額程度のことが多いですが、隣接の緑地や公園を学校と地域で共有していることもありました。
Collège de St-Rochは1874年に建築された、義務教育が制度化されてからのLausanne最古の学校であり、建物も最古です。19世紀末にかけて作られた学校建物では外壁に時計があることが多いです。また建物内で男子/女子が分かれていたので、正面左右に男女それぞれの入り口と、その表示が残っています。
載せた写真の多くはCollège(コレージュ)とありますが、日本での小学校、中学校、高等学校に相当するのが混ざってます。この建物の呼び方も州によって違っていて、同じフランス語圏でもécole, collège, lycée, gymnasiumとさまざま。州によって区分が異なるそうです。
Vaud(ヴォー)州(義務教育は現在は4歳から15歳までの11年)では小中学校に当たるのがcollège、高等学校がgymnasiumですがGenève(ジュネーブ)州では高等学校もcollègeのような感じでした。断言はしませんが。Gymnasium cantonal de la Cité Lausanne(州立高等学校ローザンヌ校とでも訳すか)は 1587年の建物。大聖堂のすぐ隣にあって、中世の雰囲気が残る街並みのど真ん中にあります。近づくと、尖塔が建物の中に見えてきます。冒頭の写真もここです。この学校には別棟があり、少し離れたBâtiment de la Mercerieは1766~1771年にかけて当初は病院として使われましたが1806年に市から州へ所有者が変わり、監獄→病院と変遷して1879年より高等学校として使われています。
最後にVaud州のGymnasium、高等学校で教えられている、大学や高等職業訓練へ進むための資格に必須な教科一覧を載せておきます:
- フランス語(第一言語)
- ドイツ語かイタリア語 (第二言語)
- 英語かラテン語かギリシャ語 (第三言語)
- 数学 (基礎か応用)
- 実験科学 (化学、生物、物理)
- 人文科学 (歴史、法律、経済)
- 芸術 (美術か音楽)
- スポーツ
- コンピューター関連
これら必須科目に加えて個人の興味により色々加えることができるようです。
次回からはVia Gottardoでスイスを縦断しに歩き始める予定です。