冬の朝、起きて外を見ると真っ暗、さらに深い深い霧!「スープの中」とも称される分厚い霧が景色も何も覆いつくす。冬の太陽は霧を追い払うには弱々しく、一日中どっぷりと靄の中、なんてこともしょっちゅうです。
さて地表にある霧は「Brouillard 仏、Nebel 独」ですが、地表からある程度の高さまで厚みのある霧はStratus(ストゥラトゥス 仏、独同じ)となり、天気予報ではこちらの方をよく聞きます。日本語の「雲海」に当たるのかしら?同じ成分でも高さ2000m以上にあったら「雲」ですが、Stratusはそこまで高く形成されることはなく、Statusの上は晴れ渡った青空のことが多いのです。今日の写真、写真を撮った場所はどれも標高1200m以下、下方に白く見えるのがstratus-高さのある層状の霧なのです。
もし秋から冬にスイスなどを訪れることがあって、真っ白い霧にうんざりしたら、Stratusより上に行ってみましょう。幸いなことに、スイスではバスや列車などの公共の交通機関で簡単に行けます。天気予報では「標高1000mまでStratus」というような情報も伝えてくれます。それより上に行けばいいわけです。
湖などの水の温度が気温より高い場合などに霧が発生しやすくなります。湖は霧の発生源でもあります。
私が住んでいるのは、標高300m程度のレマン湖畔からだいぶ上った標高550m近辺の斜面なのですが、湖の方向の下を見ると真っ白、振り返って上方は青空ということがよくあります。ローザンヌ近郊でもメトロM2終点のEpalinges, Croisettes(715m)やバスでSavigny(793m)まで行くと、ウソのように突然青空になっていることがあります。(800mじゃまだまだ霧の中、なことも当然ありますよ)
このStratus、昼間には弱まることもあれば、朝晴れていたのに午後になって上昇してくることもあります。周りに比べて気温が上がったり下がったり、微妙な違いの影響なんでしょうが、悩ましい・・・また上空を含む全天が曇、雨、雪の場合は見られません。霧の中にいるときは、この上に青空が広がっている(かもしれない)とは想像もできないので、霧の上に青空があった時の喜びは大きいです。
さて今後ですが、短い記事を少し書いてから、「馬を見に行くハイキングと言ったらJura(ジュラ)でしょう」というような内容の連載を始める予定です。