Stratus(霧)の上は青空かもしれない

Ste Croix(1086m)はNeuchâtel湖畔のYverdon-les-Bains(435m)から小さな列車で終点。下界が霧で覆われてても、ここは青空のことが多い。谷に綿のようにstratusが発生してます。

冬の朝、起きて外を見ると真っ暗、さらに深い深い霧!「スープの中」とも称される分厚い霧が景色も何も覆いつくす。冬の太陽は霧を追い払うには弱々しく、一日中どっぷりと靄の中、なんてこともしょっちゅうです。

続きの写真、Ste Croixから下りる道。Stratusの中に入りつつあります。ここからVia Francigenaという道がSt-Bernard峠、イタリア国境まで続いてます。

さらに下ってStratusの中に入りました。この道は古代からとっても重要だったため、代々の有力者により整備されてましたが、すり減って石が段状になってる跡が見られます。

さて地表にある霧は「Brouillard 仏、Nebel 独」ですが、地表からある程度の高さまで厚みのある霧はStratus(ストゥラトゥス 仏、独同じ)となり、天気予報ではこちらの方をよく聞きます。日本語の「雲海」に当たるのかしら?同じ成分でも高さ2000m以上にあったら「雲」ですが、Stratusはそこまで高く形成されることはなく、Statusの上は晴れ渡った青空のことが多いのです。今日の写真、写真を撮った場所はどれも標高1200m以下、下方に白く見えるのがstratus-高さのある層状の霧なのです。

霧の中を歩くのは大変。道にマークがついていてありがたい。

もし秋から冬にスイスなどを訪れることがあって、真っ白い霧にうんざりしたら、Stratusより上に行ってみましょう。幸いなことに、スイスではバスや列車などの公共の交通機関で簡単に行けます。天気予報では「標高1000mまでStratus」というような情報も伝えてくれます。それより上に行けばいいわけです。

Montreuxから列車でHaux-de-Caux。駅からAvant方面に少し歩いたところ。標高1100m強。夏だったらレマン湖が青く見えてるところです。10月下旬。

全く同じ場所からではないけどHaut-de-Caux、こちらは駅前から。7月だとこんな感じに湖が見える

湖などの水の温度が気温より高い場合などに霧が発生しやすくなります。湖は霧の発生源でもあります。

Lausanne駅からメトロM2で終点、Croisettes, Epalingesの駅から少し上った小さな教会からの眺め。レマン湖はStratusにすっかり覆われてます(標高700m弱)

私が住んでいるのは、標高300m程度のレマン湖畔からだいぶ上った標高550m近辺の斜面なのですが、湖の方向の下を見ると真っ白、振り返って上方は青空ということがよくあります。ローザンヌ近郊でもメトロM2終点のEpalinges, Croisettes(715m)やバスでSavigny(793m)まで行くと、ウソのように突然青空になっていることがあります。(800mじゃまだまだ霧の中、なことも当然ありますよ)

Valaisのブドウ畑。Leukの近く。遠くの谷間に見えるのはStratusか?ちょっと低すぎか?

このStratus、昼間には弱まることもあれば、朝晴れていたのに午後になって上昇してくることもあります。周りに比べて気温が上がったり下がったり、微妙な違いの影響なんでしょうが、悩ましい・・・また上空を含む全天が曇、雨、雪の場合は見られません。霧の中にいるときは、この上に青空が広がっている(かもしれない)とは想像もできないので、霧の上に青空があった時の喜びは大きいです。

Ste Croix(1086m)からBullet(1200m)に行く途中。Stratusの下にはNeuchatel湖とその両岸の平地がすっぽり隠れている。雲海の上に顔をのぞかせているのはベルン州の山々。運が良ければアイガー、ミュンヒュ、ユングフラウも臨める。冒頭の写真もこのあたりから。

さて今後ですが、短い記事を少し書いてから、「馬を見に行くハイキングと言ったらJura(ジュラ)でしょう」というような内容の連載を始める予定です。

本日の天気予報。晴れー雨の心配はないのだけどStratusで霧の中です、太陽は見えません!

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