元々は聖ニコラが主役だったとはいうもの、ヨーロッパでもアメリカ風のサンタはすっかり浸透していて、この季節はサンタ人形があちこちの壁に貼りついています。
子供たちがどのようにプレゼントをもらっていたかは私もとても興味があったのでしつこく聞いてみました:
ドイツ語圏スイスで育った、とあるキリスト教プロテスタントの家の子供が聖ニコラの日である12月6日にもらえるのはミカン、落花生、クルミ(そういえば、今でも11月後半になると、スーパーにこれらの食べ物が目立つところに並びます)が入ったきれいな袋くらいで、本格的なプレゼントはやはり12月24日の夜中=25日の朝受け取りだったそう。でも隣のカトリックの家では24日の晩御飯時にプレゼントがもらえていたらしい。聖ニコラはカトリック地方でより盛んで12月6日に既にメインのプレゼントをもらう地方もあるそうです。さらには同じスイスでも「東方の三賢人がキリストにプレゼントをあげに来た」ことにちなんで年明けの1月6日にもらうところもあるとか。ホント色々です。
ちなみに25日に配りに来たのはサンタではなく「クリスマスの子供」という天使みたいなもの?で、イエスキリストの何か、だそうなので、やはり宗教としっかり結びついています。魔法のような感じの存在なので夜の間に配達に来るのだそうです。
スイスの店は基本、日曜日は休みです。労働組合(日本の労働組合とはちょっと違う組織)との取り決めで市町村ごとの法令で開店時間なども決まってるのですが、クリスマス前の数週間は日曜日も開けて良いことになっています。大型店に限り、ですが。そのくらい、プレゼントの調達や家族が集合する夜の準備など、年に一度の大行事ということになるのでしょう。ちなみに近年では11月の最終金曜日、ブラックフライデーの大売り出しもかなり浸透してきていて、購買意欲を煽ってきます。
12月1日からはクリスマスまでのカウントダウンが本格的に始まります。Avent calender(アベントカレンダー)、一日から24日まで、カレンダーの「窓」を毎日一つずつ開けていくカレンダーに類するものです。人によっては24個の番号が付いた小さな箱や袋を用意して、中にちょっとした物、お菓子とかぬいぐるみを入れて子供に与えます。
また、集落全体で24軒が家の前に決められた数字とちょっとしたデコレーションで飾る、ビルの窓に24の数字が飾ってあって、毎日その日の数字がライトアップされる、などのこともあります。本当にささやかなのですが。