あなたの住んでる所の名物料理は?と聞くと、よく「何とかソーセージ」との答えが返ってきます。見た目は同じに見えるソーセージなんだけど、中に入ってるものや製造方法が微妙に違っていて、それぞれが地域の名産らしい。
さてVaud(ヴォー)州にはPapet Vaudois(パペ・ヴォードワ)というメニューがあります。使っているのはSaucisse aux choux(ソーシース オ シュー)で、豚肉と細かく刻んだキャベツを腸詰にして燻製にしたソーセージ。これ、「ツナギ」が入ってないのか、切ると中身がもろもろと崩れます。ソーセージの皮部分は、食べられるけど食べなくてもOKです。ソーセージに切れ目を入れて、中身部分をナイフでしごいて皮から出し、添えられたPapet(te)と混ぜて食べると旨い。Papetはお粥状になるまで煮込んだ濃厚スープ。Papet Vaudoisはポロネギ、じゃがいも、白ワインと生クリームが入ってます。ネギの緑とじゃがいもの白が、Vaud州の紋章の緑と白の組み合わせと同じだから、との説も。
ソーセージにはプラスチックの緑色のタグが付いてます。これはIPG (Indications géographiques protégées)、地産・地生産の証です。地元で栽培した農作物をその地で加工してます、の証明タグ(農水省のお墨付き)。日本の「緑提灯」とちょっと似てるかな。
Vaud州にはもう一つSaucisson vaudoisというのがあって、これも豚肉です。両ソーセージとも、IPG認定品は重量から長さ、赤身肉が60%以上、タンパク質とコラーゲンの割合など細かく指定されています。
http://www.charcuterie-vaudoise.ch/fr
この一皿、他のメニューもそうですが、一皿でかなりお腹いっぱいになります。ソーセージ一本だけか、と思うなかれ。