これだけは知っておきたい最重要事項の一つ、「立ち入り禁止」の標識についてです。
先月、スイス南東部のグラウビュンデン州で土砂崩れが起き登山者8人が巻き込まれました。南部のヴァレー州でも氷河雪崩の恐れ、とニュースに出ていて懸念されている方も多いでしょう。私もハイキング中に土砂、岩、雪崩などで通行止めになった登山道に何回か出くわしたことがあります。
歩く予定のハイキング道がどのような状態にあるかはサイトによる確認、問い合わせができます。Swissinfoの記事、地盤の緩い登山道 スイスの山での安全対策を是非読んでください。
まず一般的な歩行者通行止めの標識です。
日本的感覚だと、斜め線も加えてほしいところですが、赤丸枠は「禁止」のサインです。
こちらは「歩行者通行路」。たま~に 周囲の赤が色あせてしまっていることもありますが、歩行者通行路の標識はこのように、青です。
こちらは車(赤枠のみ、中は白)と馬の侵入が禁止されてる道です。人間はOKってことです。
何らかの理由でハイキング道が危険な状態で、通行止めにしている例がこんな感じ。
そして、時々いきなり出てくるのが、「TIR」の標識。これは射撃訓練が行われる場所なので通行禁止であるとの警告です。
スイス人男性は全員兵役が義務で、さらに一定の年齢(40歳ちょっと)までは毎年射撃訓練を受けなければならない!!!こともあって射撃場があちこちにあります。ついでに言うと、銃は全員自宅保管です~そらそうだ、敵(誰?)が攻めてきた時に、銃を保管してあるどこかまで行ってる余裕はない、ですよね。
この射撃訓練は300m先の標的を狙うとかなので屋外で行われます。そらそうだ、実戦を考えたら屋外で訓練しとかなければ。そして、ハイキング道がこの射撃スペースの域内を通っているのです。でも、射撃訓練は年がら年中自由にやってるわけではなく、決められた日です。いつ開かれるかの日付は自治体の掲示板や時には現地にも貼りだされています。
射撃訓練は限られた日だけなので、その日以外の通行は自由です。訓練をしてるときは、音がパンパン響いていて遠くからでも聞こえるので間違えて入り込むことはまずないと思います。
また、見るからに軍事施設というところの横を通ることもあります。これは見るからに、わかります。雰囲気も独特だし。
とあるロングトレイル(6番)は、とある軍用飛行場の滑走路の中を通っています・・・私は一人で歩いてましたが、自分の目を疑いました。ここ、本当に入っていいの?何度も地図を見返して現地と照らし合わせたけど、どう見ても黄色ひし形のマークは滑走路を横切るように付いている、ので渡りました!監視カメラでずーっと見られたらしく、サービス?で照明ピカピカ点滅してくれました・・・(おいおい)アジア系の女が一人で歩いていて珍しかったのであろう。おっかなびっくり渡り切ったけど、どこかにあるカメラに向かって投げキッスでもしとけばよかった、と何年も経った今でも思い出します。
スイスの駅ではホームと線路との高低差があまりないので、なんとなく線路を横切りたくなるのですが、危険です!横切ってはいけません!重量級車両がアナウンスなしで猛スピードで通過してきます!
あと、Privé(e) (仏) 、Privat (独) とあったら、要注意です。扉にこうあったら、私的空間、要するに「関係者以外立ち入り禁止」、「入るな」です。、道路にこの表示があったら「私道」の意味です。この場合、「立ち入り禁止」にもなりますが、Privatの札と一緒に黄色の菱形、ハイキング道のマークがついていることもあり、この場合は私道だけど歩行者の通行は許す(でも私道だから心して歩いてね)、ということになります。
<追記10月7日>射撃訓練は、義務の訓練の場合は平日もあり、射撃クラブの練習の場合は大概週末だそうです。